2019 Fiscal Year Annual Research Report
COPDプロアクティブリサーチシステム構築のための横断的、および縦断的探索
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18H03089
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
堀江 淳 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (60461597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真一郎 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (50211488)
高橋 浩一郎 佐賀大学, 医学部, 講師 (70549071)
中川 明仁 同志社大学, 心理学部, 客員准教授 (90639296)
松永 由理子 (明時由理子) 佐賀大学, 医学部, 助教 (50612074)
金子 秀雄 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 准教授 (20433617)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | COPD / 呼吸リハビリテーション / 早期発見 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、プロアクティブな活動(積極的探索活動:以下PAR)によって早期発見された慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)患者(以下PAR COPD患者)に対する、横断的探索と、その経時的変化を探索する縦断的探索の2本柱から構成される。その結果を応用し、COPD患者の早期発見、早期治療開始の臨床システム(プロアクティブリサーチシステム)を構築するための実践的研究である。 2019年度は、年間を通してPAR COPD患者のデータ収集、ならびに通常の受診行動によってCOPDと診断された患者(以下COPD患者)のデータ収集を実施した。PAR COPD患者のデータ収集は、薬師寺医院(佐賀県鹿島市)、さとうクリニック(佐賀市)、石井内科(佐賀県有田町)の患者を対象に実施した。薬師寺医院の患者は院内リハビリテーション室、さとうクリニック、石井内科の患者は、医院近隣の公民館にて測定を実施した。さとうクリニックは、2019年度より、新たに開始した施設で横断データの収集を行った。石井内科、薬師寺医院の患者は、初回参加者に加え、1年後、2年後の縦断的データを収集した。また、データ収集後、データ解析を行い、患者にもわかりやすくフィードバックした。その際、測定結果をわかりやすく開示するために専用の報告用紙を作成し、報告会で個別に行った。報告会では、「COPDに負けない」をテーマに勉強会等を行い、作成したパンフレット、日誌を用いて在宅での注意点等について指導を行った。 COPD患者のデータ収集は、高邦会高木病院(福岡県大川市)、結核予防会大阪病院(大阪府寝屋川市)にて実施した。これら施設の患者については、6か月ごとにデータ収集を実施し、横断データ、ならびに縦断データの収集を行った。測定結果のフィードバックについては、COPD患者専用の報告用紙を作成し、ADL方法ならびにホームプログラムの実施を指導した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者である林真一郎、高橋浩一、金子秀雄、松永由里子、中川明仁とは、NPO法人「はがくれ呼吸ケアネット」の活動を通じ、常に研究に関して連絡をとり、順調に研究遂行がされている。また、PAR COPD患者のデータ収集については、「はがくれ呼吸ケアネット」登録施設である医院の院長であり、十分なコミュニケーションが取れており、新規患者のリクルート、継続患者へのアナウンス等で協力体制が構築できている。COPD患者のデータ収集については、高邦会高木病院、結核予防会大阪病院の呼吸リハビリテーションスタッフの育成にも尽力し、外来診療体制が構築でき、本研究に関する研究協力体制についても、順調に整備できている。また、測定備品、ならびに測定場所に関しても、近隣の公民館が積極的に協力してくれており、PAR COPD患者のデータ収集の物理的環境も確保されている。 研究成果の公表については、第6回日本呼吸理学療法学会学術大会(名古屋市)にて、「積極的探索活動(プロアクティブリサーチシステム)により発見された慢性閉塞性肺疾患患者の身体活動量と運動耐容能の関連についての検討」、第29回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会(名古屋市)にて「COPD患者における喫煙者および非喫煙者の心理・認知的機能の比較検討」「早期COPD患者の1年後の骨格筋量の変化と身体特性との関連」を発表した。また、研究分担者の中川明仁により、第7回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 九州・沖縄支部学術集会(佐賀市)にて、COPDのトピックス「COPDと認知機能障害との関連」について、本研究データを開示しつつ、シンポジストとして研究成果の公表を行った。このように、これまで本研究で収集したデータを活用し、横断データ、ならびに1年間の縦断データを中心に解析を行い、研究成果の公表も順調に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の研究推進方法は、2019年度と同様、PAR COPD患者、ならびにCOPD患者のデータ収集を継続して実施する。COVID-19感染予防に関するデータ収集のへの影響は現時点では不明であるものの、PAR COPD患者のデータ収集は、例年通り8月~9月に実施予定としている。COPD患者のデータ収集についても、現在、大阪病院はデータ収集を実施しているが、高邦会高木病院ではデータ収集ができておらず、6月、または7月から、再度、データ収集を開始する予定である。 研究成果の公表については、研究分担者である中川明仁により、「早期慢性閉塞性肺疾患患者の喫煙者と非喫煙者における心理・認知機能の比較検討」を標題とし、日本呼吸ケアリハビリテーション学会誌に投稿中である(2020年6月現在、査読中)。また、第7回日本呼吸理学療法学術大会での発表を準備していたが、2020年度は開催中止が決定され、第30回に日本呼吸ケア・リハビリテーション学会は開催予定であるため、既に演題登録を完了し、研究成果の公表の準備を行っている。更に、研究分担者である中川明仁により、「PAR COPD患者の自己効力感」をテーマにした論文を作成中であり、2020年度内に英文誌に投稿予定である。加えて、研究協力者である江越正次朗により、「Early stage COPD患者の1年後の骨格筋量変化と身体特性との関係」を標題とした論文は既に作成できており、近日中に投稿予定である。
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Research Products
(4 results)