2019 Fiscal Year Annual Research Report
発達的移行を基盤とした小児慢性特定疾病患者への自立支援型移行ケア開発と評価
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18H03098
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
小林 京子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30437446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 美紀子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (30434187)
福冨 理佳 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (60826329)
池田 真理 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (70610210)
田村 敦子 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (70724996)
西垣 佳織 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (90637852)
賀数 勝太 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (70782150)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自立 / 慢性疾患 / 子ども / 家族 / 発達 / 移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度に引き続く文献検討をまとめ、慢性疾患の子どもの自立の契機となることとして、「子どもの自身の内的な動機付け」「社会参加・社会活動に関連したライフイベント」「セルフケアを促す親子関係」「医療者からの支援」が見出した。また、自立の契機は発達のあらゆるステージで見出されたため、子どものこれまでの成長発達、現在の状態・困りごと、将来を見据えた力の蓄えへの支援で構成される発達的移行のための看護支援モデル図を作成した。さらに、自立のゴールの一つとして「就労・進学」を同定し、これについて小児がん経験者53名の就労・進学への治療歴、晩期合併症を含む身体状態、家族機能、認知機能、自己管理能力との関連を検討した。その結果、療歴、晩期合併症を含む身体状態、家族機能、認知機能、自己管理能力のうち、関連自己管理能力が最も強い関連、次に家族機能が関連し、それらを自己管理能力と家族機能を支える看護の自立支援の重要性が確認された。今後はこれらの結果をまとめてアセスメントモデルの作成を行い、介入による検証を進めていく。 また、子どもの自立の契機として「セルフケアを促す親子関係」が見出されるとともに、慢性疾患児の親の体験の有り様と子どもの自立との関係を探索する必要性が見出されたため、子どもの入院を体験した親(1055名)への質問紙調査及びインタビュー調査を実施した。これにより、子どもの入院における親の体験と親の子どもの状態に対する理解、親-医療者関係の形成が明らかになると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子どもの自立における家族機能、家族関係の重要性が示され、家族の体験の調査を実施し、時間がかかった。また、新型コロナウイルスの影響によって2020年1月ごろより、患者・家族を対象にした調査の実施は困難となり、これも遅れの原因となった。 しかし、家族の体験や親-医療者関係の構築の有り様は、子どもの自立支援において重要な鍵となるため、来年度以降に計画を進め、研究計画の遂行を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの状況下への対応としてwebを活用し遠隔での実施が可能なものは遠隔実施を行う。対象者に実際にリーチすることが必要なものについては、臨床現場の研究協力者との連携を強めるなど、研究実施方法を実施可能なものへと工夫し研究を推進する。
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Research Products
(3 results)