2018 Fiscal Year Annual Research Report
運動学習脳内機構の外的制御による片麻痺患者の新たな神経リハビリテーション戦略
Project/Area Number |
18H03132
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
菅田 陽怜 大分大学, 福祉健康科学部, 助教 (30721500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正之 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00596497)
阿南 雅也 大分大学, 福祉健康科学部, 講師 (10517080)
松下 光次郎 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30531793)
藤木 稔 大分大学, 医学部, 教授 (90231563)
上田 徹 大分大学, 福祉健康科学部, 特任教授 (90315333)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 皮質脳波 / 運動学習 / 神経オシレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
てんかんの術前検査として頭蓋内電極留置術を受けた患者を対象として運動学習課題中の皮質脳を計測した。頭蓋内電極は右の前頭葉~頭頂葉にかけて53極留置配置され、また、側頭葉には深部電極が40極配置された。運動学習課題中の皮質脳波データから運動学習の皮質中枢およびそれに関わる神経オシレーションについて検討した。 運動学習課題はcenter out task をベースとした複雑な視覚運動学習課題とした。本課題は、ディスプレイ上のポインターをレバー状のコントローラーで操作しターゲットへ到達させる課題であり、コントローラーの動きとポインターの動きに特定の誤差角度を付加することで、視空間的な運動学習能力を評価できるものである。 運動学習中の皮質脳波を解析した結果、運動学習の過程において一次運動野周辺から頭頂葉にかけてalphaおよびbeta帯域の事象関連脱同期およびhigh gamma帯域の事象関連同期が動的に変化することが明らかとなった。また、学習課題中にはtheta帯域とhigh gamma帯域の位相振幅カップリングの変調も動的に出現することが示された。 これらの結果は、頭頂葉から一次運動野周辺にかけてのhigh gamma帯域やalpha-beta帯域の周波数活動が大脳皮質における運動学習の重要領域および特異的神経オシレーションである可能性を示している。すなわち、一次運動野から頭頂葉にかけての神経オシレーションをターゲットとした周波数特異的電気刺激を行うことで、それらの神経オシレーションを外的に変調でき、さらには運動学習に関わる効果の外的に制御できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
頭蓋内電極留置術の対象となる患者が少なく、運動学習中の皮質脳波データが当初予定よりも少ない状態であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
運動学習中の皮質脳波データの蓄積を続けるとともに、得られたデータから運動学習脳力に関与する大脳皮質領域の同定並びに運動学習特異的な神経オシレーションの解明をすすめる。また、得られた成果を学会および論文にて公表する。
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Research Products
(12 results)