2021 Fiscal Year Annual Research Report
滑らかな行動を獲得する新しい介入戦略:神経活動の同期化と行動学習
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18H03133
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
鈴木 誠 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (80554302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335374)
田山 淳 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (10468324)
田中 悟志 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10545867)
鈴木 貴子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (60549343)
小川 豊太 (濱口豊太) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 行動学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究では,小脳に対する経頭蓋交流電気刺激がリーチング運動に及ぼす影響を検証することを目的とした.実験では,赤外線カメラから得られた位置情報から三次元空間における上肢位置を推定し,ヘッドマウントディスプレイ内の仮想空間上に投影する三次元仮想現実システム(磯, 鈴木. 特願2020-200547)を使用した.右利きの健常な青年者と高年者にヘッドマウントディスプレイを装着し,仮想空間内を0.5 Hzのリズムで前後に往復する右手ターゲットに自身の右手アバターを一致させるように両手のリーチング運動を行わせた.まず,交流電気刺激を行わずにリーチング運動を20往復した後(ベースライン期),右小脳を交流電気刺激しながらリーチング運動を150往復した(介入期).右小脳に対する交流電気刺激には,0.5 Hzの周波数と2 mAの電流強度(電流密度0.08 mA/cm^2)を使用した.ベースライン期のリーチング運動における0.5 Hzのパワースペクトルを介入期に補外してベースライン期を継続した場合の予測値を求め,介入期における0.5 Hzのパワースペクトルと比較したところ,青年者,高年者ともに右手および左手運動のパワースペクトルが介入期において有意に増加した.2021年度の実験により,小脳に対する交流電気刺激に同調してリーチング運動のリズムが変化することが示唆された.また,右手のリーチング運動のリズム変化が左手にも影響を及ぼす可能性が示唆された.本研究による知見は,交流電気刺激を活用した行動介入プログラムの開発に寄与することができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の予定であった交流電気刺激が運動に及ぼす影響を明らかにすることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究では,今年度までに行った運動解析の手法を応用し,さまざまな施設の作業療法士や理学療法士が個別的なサービスとして活用可能な行動介入プログラムを作成する.また,交流電気刺激が脳活動および行動に及ぼす影響については,健常者を対象にした実験を継続する.それによって,交流電気刺激が滑らかな行動の学習に及ぼす影響を検証する.
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