2021 Fiscal Year Annual Research Report
グリア・トランスクリプトーム解析によるリハビリ後の運動機能回復メカニズムの解明
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18H03139
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
長尾 元史 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 研究部長 (00359671)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グリア細胞 / アストロサイト / リハビリテーション / 運動機能回復 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中・脊髄損傷などによる運動麻痺がリハビリテーションを行うことにより一定の回復を示すことはよく知られている。脳卒中後の運動機能回復には損傷部周囲の残存領域の神経回路再構築が必要であると考えられている。発生期にはグリア細胞の一種であるアストロサイトが、シナプス形成と刈り込みを制御し神経回路構築に関与する。しかし、損傷後の反応性アストロサイトは、トロンボスポンジンなどのシナプス形成因子を分泌し神経回路再構築を促進する可能性がある一方、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンなどの軸索再生阻害因子を分泌し、神経回路再構築を阻害することも報告されており、脳卒中後の運動機能回復における反応性アストロサイトの役割は未だ不明な点も多い。本研究では、反応性アストロサイトにおけるクロマチンリモデリング因子Chd7の役割を解析した。Chd7は成体大脳皮質のアストロサイトでは発現していないが、脳卒中後に出現する反応性アストロサイトでその発現が上昇してくることを見出した。次に、反応性アストロサイトにおけるChd7の役割を明らかにするために、アストロサイト特異的Chd7ノックアウトマスを用いて脳梗塞モデルマウスを作製し解析した。コントロールマウスと比較して、Chd7ノックアウトマウスでは反応性アストロサイトの増殖が抑制されていた。培養したアストロサイトでChd7をノックダウンしても同様の結果が得られた。さらに、アストロサイト特異的Chd7ノックアウトマウスの脳梗塞後の運動機能をcylinderテストとgrid walkingテストを行なって評価したところ、コントロールマウスと比較して、Chd7ノックアウトマウスでは脳梗塞後の運動機能回復が良好であった。これらの結果から、Chd7は反応性アストロサイトの増殖を制御し、脳梗塞後の運動機能回復を抑制することが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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