2019 Fiscal Year Annual Research Report
糖化ストレスによる運動トレーニング効果の抑制作用の検証-糖化研究基盤確立に向けて
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18H03148
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江川 達郎 京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (00722331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤林 真美 摂南大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40599396)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖化ストレス / AGEs / 筋肥大 / 運動抵抗性 / プロテオーム / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、糖化ストレスが運動トレーニング効果におよぼす影響を明らかにすることである。本年度は、糖化ストレスが運動トレーニングに伴う分子動態におよぼす影響について検討した。方法としては、9 週齢のC57BL/6NCr マウスを対照群と糖化ストレス負荷群に分類し、糖化ストレス群には牛血清アルブミン(BSA)を用いて作成したAGEs(0.5 mg/g body weight)を1 日1 回、2 週間腹腔内投与した。対照群にはBSA(0.5mg/g body weight)を投与した。AGEsの投与により、血中の蛍光性AGEs量は約2倍に増加した。AGEs またはBSAの投与1 週間後に、全てのマウスの右脚(筋肥大脚)から腓腹筋およびヒラメ筋を切除し、協働筋である足底筋の代償性筋肥大を誘導した。左脚は非処置群(非筋肥大脚)とした。協働筋切除1 週間後に足底筋を摘出しプロテオーム解析を行った。筋肥大脚では非筋肥大脚に比べて、有意な筋量増加が認められた。また、AGEs投与によりその肥大は有意に抑制された。プロテオーム解析の結果、検出された4659種のタンパク質に対して主成分分析を実施したところ、第1主成分(56.4%)で筋肥大の影響が認められ、第2主成分(23.6%)で糖化ストレスの影響が認められた。以上の結果から、糖化ストレスは筋肥大に伴うタンパク質の発現動態に影響をおよぼすことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りプロテオーム解析を実施し糖化ストレスによる運動抵抗性に係る分子の候補を抽出することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は抽出された候補分子の中から、より関与が高い分子群の抽出を行い分子機序解明を進める。また並行して、ヒトを対象にした運動トレーニング実験の解析を進め、糖化ストレスと運動トレーニングとのかかわりに関して研究の土台作りを目指す。
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Research Products
(12 results)