2020 Fiscal Year Annual Research Report
暑熱環境下運動時の中枢性および末梢性疲労による筋出力調節および循環調節への影響
Project/Area Number |
18H03166
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
芝崎 学 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (00314526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 千明 奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (00783929)
藤原 素子 奈良女子大学, その他部局等, 副学長 (30220198)
中田 大貴 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (40571732)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動 / 中枢性疲労 / 末梢性疲労 / 認知機能 / 運動関連電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
暑熱環境下で運動すると、快適な環境下での運動と比較して、疲労感を感じやすく、生体への負担も大きいため、運動継続時間が短縮する。暑熱環境下運動時の疲労は末梢性だけでなく、体温の過剰な上昇による中枢性疲労によっても誘発されることが報告されている。本研究プロジェクトでは、これらの両疲労が筋出力調節および循環調節に与える影響を客観的指標から評価することを目的とした。 令和2年度はCOVID19の影響で当初計画通りに研究は実施できなかった。学外から被験者を集めることができなかったため、スケジュールを変更して女性被験者のみを対象として研究を進めた。実質的に実験を開始したのが8月を過ぎてからとなった。 全身運動による激しい運動実験は当該年度の実施を断念し、また感染の可能性を最小限にするため、疲労実験も小筋群の疲労に限定した。8月以降も本実験を開始することが難しく、実験の効率化、最小人数で実験を遂行できる体制を整えるために、大学院生を中心に予備実験を繰り返すことで研究体制のシステム化をし、次年度に同時並行で実験を遂行できる体制を整えた。 当初計画では、様々な実験負荷から多角的に中枢性および末梢生疲労の影響について検討する予定であったが、同一の実験を異なる測定パラメータで検討することで、同一身体活動に対する疲労ファクターに対する多角的な検討に特化した。 脳活動指標として、運動開始に伴う随伴陰性変動(CNV)を誘発する刺激始動性運動を用いて実験を実施し、脳波事象関連電位に加え、経頭蓋ドップラー法による中大脳動脈血流速度、NIRSによる脳血流酸素化動態から多角的にセントラルコマンドを定量化を試み、疲労の影響を検討した。 結果的に実験体制の見直しによって最終年度の実験を円滑に進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスによる影響
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Strategy for Future Research Activity |
概要に記載したように、感染リスクを避けるため、全身運動による激しい運動実験を回避し、疲労実験も小筋群の疲労に限定した。当初計画では、様々な実験負荷から多角的に中枢性および末梢生疲労の影響について検討する予定であったが、同一の実験を異なる測定パラメータで検討することで、同一身体活動に対する疲労ファクターに対する多角的な検討に特化した。 また、実験室内が密にならないように工夫した結果、実験プロトコルが自動化され、測定パラメータの分散で複数実験室で同時に実施することが可能となった。これによって、最終年度に集中して実験する体制を整えることができ、結果的に当初予定に近い研究を遂行することができた。感染リスク対応として、対象被験者を限定し、同一被験者が繰り返し参加することで十分な被験者数を確保することとなったが、多様性という視点から評価すると疑問の残る実験体制を取らざるを得なかった。
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Research Products
(3 results)