2019 Fiscal Year Annual Research Report
低糖質高脂肪食・プレハビリテーションががん免疫・外科侵襲時の生体反応に及ぼす影響
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18H03174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深柄 和彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (70323590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村越 智 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10647407)
齋藤 祐平 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90422295)
室屋 充明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90431866)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん性腹膜炎 / 低糖質高脂肪食 / 制御性T細胞 / ホエイたんぱく / プレハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
1.がん性腹膜炎における低糖質高脂肪食の影響:マウスがん性腹膜炎モデルを用いて、ラード主体の低糖質高脂肪食(脂肪のエネルギー比60%)と標準食が、がん免疫に及ぼす影響を検討した。 自由摂食をさせた場合に、標準食に比べラード強化食は予後が増悪していた。高脂肪によるoverfeeedingの可能性があったため、等エネルギー投与になるように食餌投与量を調整したモデルでも同様にラード強化食は予後が不良であった。食餌のエネルギー比が重要であることが判明したため、以降は自由摂食での検討とした。ラード強化食群は標準食群に比べ、腹腔内のTNF, MCP-1, IL-6, IL-10のレベルが高く、制御性T細胞数も多かった。脾臓の活性化NK細胞、細胞傷害性T細胞はラード強化食群で少なく、腹腔内がん腫瘤中の制御性T細胞数は逆に多かった。がん関連マクロファージサブセットは、腹腔内・脾臓・腫瘤中のいずれの部位でもラード強化群がM1/M2比が低かった。 以上より、ラード強化による低糖質高脂肪食(マウスモデルにおける低糖質高脂肪食として通常使用される食餌)は、標準食に比べ、がん免疫を高める免疫細胞を減らし、弱める細胞を増やすこと、それに関連して腹腔内の炎症反応が増強することが判明した。 2.プレハビリテーションと特殊栄養素の組み合わせが腸管虚血再灌流傷害に及ぼす影響:マウスにトレッドミル走を3週間実施、その間、炎症調整作用が注目されているホエイたんぱく強化食を投与した。その後、腸管虚血再灌流を行い、予後と炎症反応について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部、進展が遅れた評価項目があったが、その後、順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
低糖質高脂肪食については、強化する脂肪の種類を変えての検討を行う。 プレハビリテーションの効果については、ホエイたんぱく、魚油、アルギニンなどの特殊栄養素を強化した食餌との組み合わせ効果を検討する。
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Research Products
(2 results)