2020 Fiscal Year Annual Research Report
過食・拒食に伴う味覚嗜好性の変容を媒介する神経機構の解明:腸管ホルモン機能の解析
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18H03177
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八十島 安伸 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00273566)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ショ糖 / binge モデル / 消化管ホルモン / 摂食抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
ショ糖などの高嗜好性呈味物の過剰摂取が、どのようなメカニズムで生じるのかを明らかとするためにマウスにおけるショ糖過剰摂取モデルを用いて検討した。特に、消化管ホルモンの作用について着目した。給餌制限下のマウスにおいて、ショ糖溶液を間歇呈示すると、ショ糖溶液の摂取量は増大し、無茶食い様(binge-like)の過剰摂取を示した。Binge様ショ糖過剰摂取を示したマウスでは、消化管ホルモン(CCK、GLP-1、PYY)の投与によって、その摂取が抑制されるので、それらのホルモンへの反応性は残っていることが示唆されている。一方、それらのホルモンへの反応性が低下しているのか、また、ホルモンの分泌が低下しているのかどうかは不明であった。そこで、Binge様ショ糖過剰摂取を示すマウスと通常のマウスに、PYYを腹腔内投与し、それへの脳反応を確認したところ、孤束核や結合腕傍核での反応が低下していることが明らかとなった。また、両群において、胃内にショ糖溶液を投与したときの血中PYY濃度を計量したところ、Binge群では、PYY量が減少していることが明らかとなった。つまり、ショ糖過剰摂取マウスでは、消化管ホルモンの分泌が低下するとともに、それらに対する脳反応が低下していることが示唆される。さらに、ショ糖過剰摂取モデルでは、短時間にショ糖を多量摂取するが、通常であればショ糖摂取に由来して消化管ホルモンが分泌され、その分泌はショ糖の味覚嗜好性も低下させるはずである。そこで、PYYが味覚嗜好性を低下させるのかどうかを調べたところ、PYYは味覚嗜好反応を減少させた。以上から、Bingeモデルでは、消化管ホルモンに由来する摂食抑制性の脳反応が低下すること、消化管ホルモン分泌が低下することから、結果として摂取過多へと至ることが示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)