2019 Fiscal Year Annual Research Report
オーファン栄養代謝物の分子標的の同定とその作用メカニズムに基づく疾患予防
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18H03179
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮地 孝明 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 研究教授 (40550314)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 栄養代謝物 / 化学伝達 / トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病等の予防効果がある栄養代謝物は数多く報告されているが、未だその多くの分子メカニズムは解明されていない。独自のトランスポーター(輸送体)の研究基盤を用いて、これまでに栄養代謝物の分子標的を同定してきた。これにより、トランスポーターが栄養代謝物の分子標的として有望であることがわかってきた。そこで本研究課題では、分子標的が不明な栄養代謝物をオーファン栄養代謝物と定義し、トランスポーターからその新たな分子標的を同定することを目的とする。本研究成果により革新的な生活習慣病等の予防基盤の構築が期待できる。 昨年度は独自のトランスポーターの評価系を用いて、オーファン栄養代謝物の分子標的を探索し、この標的トランスポーターを同定することに成功した。本年度も引き続いて、トランスポーターの精製・再構成による単一タンパク質レベルでの定量的な輸送活性評価系を用いて、オーファン栄養代謝物の構造活性相関を明らかにし、また、その阻害様式を明らかにすることができた。野生型と遺伝子を破壊した疾患モデルマウスを用いて、in vivoでもin vitroと同様の阻害メカニズムにより、生活習慣病の改善効果があることを明らかにした。この薬効は既存医薬品よりも強力かつ副作用が小さいことを明らかにした。一方、正常マウスにはほとんど影響がなかった。現在、この作用機序のシグナルカスケードや複数の疾患モデルでの薬効評価等を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパク質や細胞レベルだけでなく個体レベルでのオーファン栄養代謝物の分子標的を同定することができたため、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きオーファン栄養代謝物の分子標的を探索する。また、最終年度である次年度は、これまでの研究成果を学術論文にまとめる。
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Research Products
(5 results)