2018 Fiscal Year Annual Research Report
介護の包括的予防を目指した骨格筋の「量」と「質」に関する研究
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18H03184
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
河盛 隆造 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (00116021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染谷 由希 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (10597090)
綿田 裕孝 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60343480)
田村 好史 順天堂大学, 国際教養学部, 教授 (80420834)
加賀 英義 順天堂大学, 医学部, 助教 (90814757)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋機能 / 介護予防 / サルコペニア / 認知症 / 脳血管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国は超高齢社会に突入し、介護予防に対する取り組みが急務である。しかしながら、介護の原因となる疾患は認知症から動脈硬化症、関節疾患と多岐に渡っており、集約的な予防法は未だ提示されていない。この点に関して、近年、骨格筋の「量」と「質(代謝機能)」それぞれの低下が様々な介護原因疾患を引き起こしている可能性が明らかとなってきているが、因果関係を含め、まだ多くの不明な点が残されている。そこで本研究においては、無作為に抽出した65歳以上85歳未満の高齢者を対象として、骨格筋量や筋代謝能を測定する他、認知機能、脳MRI、動脈硬化、関節機能、SNPs、生活習慣などを網羅的に調査する横断研究を行うとともに、因果関係を探るための縦断研究を行う。骨格筋の「量」と「質」の低下が介護原因疾患を増加させる病態の中心であるという仮説を検証し、骨格筋を中心とした集約した介護予防法を開発することを目指す。 平成30年度では、地域在住高齢者を対象とし、骨格筋の量や質の評価のみでならず、認知機能検査、脳細動脈病変の評価、骨密度測定、動脈硬化検査、内臓脂肪量の計測、変形性膝関節症の評価、身体活動や食事、睡眠といった生活習慣のアンケート調査などを実施し、本研究のベースラインとなるデータの集積を行い、最終的に1,629名の高齢者のベースラインデータを完成させた。現在、追跡調査及び、研究目的に沿った解析を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに、平成30年度で研究のベースとなるデータ収集が終了し、データ解析を開始できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度で集積されたデータやデータベースをもとに、下記の解析を進める (1)骨格筋の「量」と「質」の低下と介護原因疾患の関連性の探索 (2)骨格筋の「量」と「質」の低下に関わる環境因子と遺伝因子の探索 (3)骨格筋の「量」と「質」の低下が介護原因疾患を発症させる潜在的メカニズムの解明 また、横断調査から1年後ごとに、郵送法による質問紙調査を実施し、様々な疾患の発症、要支援・要介護の新規認定等の情報を収集する追跡調査を実施する
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