2020 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸代謝の異常と肝癌リスクの増大―新しいNASHモデルによる生体防御機構の解明
Project/Area Number |
18H03197
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
有泉 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (40277158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳重 克年 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60188729)
山本 雅一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60220498)
蕨 栄治 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70396612)
岡田 浩介 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (80757526)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241827)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NASH / lipophagy / p62 / fatty acid metabolism / 遺伝子改変マウス / 遺伝子レスキューマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
p62はautophagyの調節因子であり, さらに, 中性脂肪を遊離脂肪酸に分解代謝する新たな代謝経路lipophagyに関与する. p62遺伝子欠失マウスは,高脂肪食摂餌による脂肪負荷では, 高度線維化を伴う重症NASHを発症する.本研究では, 肝細胞, 脂肪細胞にのみp62を発現する“組織細胞特異的p62遺伝子rescueマウス”を作製して, 高脂肪食摂餌におけるNASH病態を比較解析することより, NASH発症・進展の過程におけるp62の役割を脂肪酸代謝と臓器連関の視点から解明した. p62-KOマウスに,60%高脂肪食(HFD)を16週間摂餌させ,生体試料の解析を行った.更に,p62ノックインマウスと組織特異的Creリコンビナーゼ発現マウスとの掛け合わせにより,肝細胞,脂肪細胞にのみそれぞれp62遺伝子を発現する“組織細胞特異的p62遺伝子レスキューマウス”を作製し,肝病態を比較した.野生型マウス肝では,HFD16週間で脂肪滴沈着とごく軽微な炎症と線維化を認めた.一方,p62-KOではHFD4週間から脂肪滴が出現し,8週間からは炎症細胞浸潤が認められ,16週間では高度の線維化を伴う脂肪性肝炎像を示した.p62-KO肝では強い肝障害と炎症・線維化シグナルの活性化が認められた.脂肪酸代謝では,FFAをacyl-CoAに代謝するAcsl1のmRNA発現が低下し,acyl-CoAをFFAに代謝するThem2の発現が増加しており,FFAとacyl-CoA代謝バランスの異常が示唆された.一方,脂肪細胞特異的p62レスキューマウスの肝では,p62-KOと比較して脂肪性肝炎の病勢に差が認められなかったが,肝細胞特異的p62レスキューマウスの肝では,線維化が顕著に抑制されていた.p62は肝細胞における脂肪酸代謝の修飾を介して,脂肪性肝炎の進展に対して防御的な役割を果たすと推測された.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Clinical and anthropometric characteristics of non-obese NAFLD subjects in Japan2020
Author(s)
Shida T, Oshida N, Suzuki H, Okada K, Watahiki T, Oh S, Kim T, Isobe T, Okamoto Y, Ariizumi S, Yamamoto M, Shoda J
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Journal Title
Hepatol Res
Volume: 50
Pages: 1032-1046
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Gender difference in development of steatohepatitis in p62:Nrf2 double-knockout mice2020
Author(s)
Watahiki T, Okada K, Warabi E, Nagaoka A, Suzuki H, Ishige K, Mizokami Y, Tokushige K, Ariizumi S, Yamamoto M, Shoda J
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Journal Title
Exp Anim
Volume: 128
Pages: 847-854
DOI
Peer Reviewed
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