2018 Fiscal Year Annual Research Report
Sensitivity analysis for publication bias in multivariate meta-analysis
Project/Area Number |
18H03208
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
服部 聡 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50425154)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
逸見 昌之 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (80465921)
小向 翔 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70794543)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | メタアナリシス / 公表バイアス / 感度解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
医学専門誌に報告された研究結果を併合して、より強固な根拠を得るための統計手法はメタアナリシスと呼ばれ、診療ガイドラインの策定などで重要な役割を果たしている。医学専門誌にはインパクトのある研究が掲載される傾向にあり、治療効果の示されなかった研究が報告されないことも生じ得る。その結果、このような研究がメタアナリシスの対象から外れ、併合結果にバイアスをもたらすことがあり得る。このようなバイアスは公表バイアスと呼ばれ、メタアナリシスにおける重要な問題となる。 本研究では、アウトカムが複数ある多変量メタアナリシスにおける公表バイアスに対する統計的方法の研究を行った。多変量メタアナリシスの一例である診断法研究のメタアナリシスにおけるベイズ統計学の立場からの感度解析法について研究を行い、2019年6月に台湾で行われたECoSta2019にて発表した。論文のドラフトを作成しているが、計算時間削減の難点に直面しており、その点の検討を行っている。 最悪でどの程度の公表バイアスが入りえるかという考えに基づく感度解析法をJohn Copas教授(University of Warwick)とともに、相互に行き来する形で行った。ネットワークメタアナリシスの場合の方法を、特殊な場合にではあるが構成した。現在は実用化に向けて、その制約を取り去る研究を行っているが、想像以上に困難な問題であることが認識された。そのため、研究の方向性をいくらか修正し、診断法研究のメタアナリシスに対する最悪値評価の方法を確立した。実データ解析を終えており、投稿論文を準備中である。 また、臨床試験登録システムに記録されているデータの利用が公表バイアスの評価に有用であるとの構想を得て、Tim Friede教授(Goettingen University)と共同研究を開始している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
限定的な場合ではあるものの、ネットワークメタアナリシスの場合の最悪値評価の方法が構成され、診断法研究のメタアナリシスの場合についての構成もできており、順調な進捗であると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を早急に論文としてまとめ、医学統計学関連の専門誌に投稿する。ネットワークメタアナリシスについては、理論的展開に課題があるが、診断法研究での経験が有効に働くと期待しており、再度理論展開の前提等を検討する。また、ネットワークメタアナリシスの応用研究を開始しており、実際のプロジェクトから想起される問題点を意識しつつ方法論の開発に努める。多変量の場合ではないが、臨床試験登録システムを公表バイアスの評価に利用する研究を併せて進めているが、このアイディアは多変量メタアナリシスの場合にも有効であることが期待され、その方向での研究テーマの開拓にも努める。
|