2019 Fiscal Year Annual Research Report
Staged Computing based on Advanced Type Systems
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18H03218
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
亀山 幸義 筑波大学, システム情報系, 教授 (10195000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 健一 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (10262156)
Kiselyov Oleg 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (50754602)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 段階的計算 / プログラム生成 / 型システム / 一般化代数データ型 / 静的安全性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究では、先進的型理論を用いたプログラム生成の研究を深化させ、以下の成果を得た。(1) 従来のプログラム生成の理論およびシステムで静的型安全性を保証するものはほとんどが「式のコード」のみを対象にしたものであった。その数少ない例外であるWatanabeらの研究では、「モジュールのコード」の生成を行ったがコードが過剰に大きくなる問題があった。本研究では、研究分担者Kiselyovが開発したgenlet機構を適用してコード爆発を常に回避できるモジュールコード生成法を確立した。(PEPM2020で発表)。(2)プログラム生成法の有力な応用先である領域特化言語の処理系の高速について、データベース問い合わせ言語を関数型言語に統合した「統合言語クエリー」において、従来研究では取り扱い困難とされた「グループ化機能」を取り込んで効率化することに成功した。グループ化機能は、データベース問い合わせ言語において使用頻度が高く不可欠な機能であるため、この成果は従来研究の欠点を補う重要な成果であると考えている。この成果はFLOPS2020国際会議で発表予定である。(3)プログラム生成法に関連する話題として、関数型プログラミングにおけるコントロールオペレータの研究がある。本年度の研究では、極めてホットな研究課題となっている「代数的効果 (algebraic effect)」と多くのプログラム言語が持つ機能である「コルーティン」の関係を精密に調査し、「ワンショット」という条件をもたせることによって前者が後者へマクロ定義可能な変換により翻訳可能なことを示した。この成果は TFP2020国際会議で発表し、会議後の論文集(査読付き)でも採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、プログラム生成法の新しい展開を目指して、従来の「コードのみを生成対象としたときに静的安全性を保証できる」理論を打破して、型やモジュールの宣言などを含めて安全に生成する新しい基礎理論とそれを実現するシステム構築をめざしたものである。前者については本年度の成果(1)で大きな進展を得られ、今後、(式だけではなく、宣言を含む)ライブラリーモジュールの生成につなぐ見通しがついている。一方で、型の生成についての技術的に困難な課題も新たに発見されており、今後の研究期間で鋭意、解決をはかる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のこれまでの成果をもとに、コードだけでなく型やモジュールの宣言を生成するための基礎理論とシステム構築を推進し、研究期間内に完成させることを目指す。並行して、このようなシステムのユースケースとなる応用をできるだけ多く探し、本研究の有用性を示すこととする。このテーマは研究分担者のKiselyovおよび浅井が作成した言語やシステムを利用するなど、様々な面で本質的な研究協力をおこなってきており、今後さらに協力関係を発展させ共著論文執筆を目指す。
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Research Products
(12 results)