2021 Fiscal Year Annual Research Report
周辺視野の知覚特性を利用した広角視覚像の効率的な生成及び転送手法に関する研究
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18H03247
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 豪 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (00323832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内川 惠二 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00158776)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コントラスト感度関数 / 周辺視 / Foveated Rendering |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘッドマウントディスプレイなどの広視角の表示装置は、VR空間や遠隔地の表示において没入感を向上させ、コミュニケーションや操作における質の向上に寄与すると考えられるが、人間の視野は中心視と周辺視ではその特性が異なり、周辺視では詳細な知覚は行えないことが知られている。しかし知覚能力が視角偏心度により低下するかの計測報告は十分になく、特に周辺視野への画像表示という応用に利用可能な計測が存在しなかったため、本研究では片目の視野の耳側、鼻側、上側、下側の各方向について、最大で偏心角度84度までの輝度コントラストしきい値を測定した。また、4方向の偏心方向の測定データから各方向のコントラスト感度関数を作成し、それらを使って補完した視野全域のコントラスト感度関数を作成する手法を提案した。 コントラスト感度関数は知覚しきい値の関数であるが、その関数から具体的に視界の「見え」がどうなっているかを直感的に理解することは難しい。2021年度に提案したコントラスト感度関数から演算推定される知覚像を作成する画像フィルタリング法を2022年度は全天球画像へ適用し、従来提案されていた手法と比較を行った。 コンピュータ・グラフィクスのリアルタイム描画技術としてFoveated Renderingという手法が近年実用の場でも利用されてきているが、Foveated Renderingの手法に上記の画像フィルタリング法で作成する像を用いて機械学習を利用した手法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で被験者測定実験が滞ったため、視野全域のコントラスト感度関数の設計がずれ込んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
輝度の視野全域のコントラスト感度関数の設計ができたため、それを用いた知覚像作成画像フィルタの実装を進め、知覚像の評価を主観実験により行う。また、知覚像を用いて機会学習によるFoveated Rendering 法についても、様々なレンダリングアルゴリズムとの組み合わせを検討し、その研究を進める。
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