2018 Fiscal Year Annual Research Report
臨床的多様性に対応可能な臓器の統計モデルと認識アルゴリズムの開発
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18H03255
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
清水 昭伸 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80262880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 篤 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10781445)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 計測工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,臓器の形状や濃度値の多様なパターンに対応するための統計モデルについて検討した.具体的には,まず,レベルセットに基づく統計的形状モデルの改良を目指し,Admissible Signed Distance Functionを利用したモデルの改善を行った.その結果,平行移動を含む臓器の統計的ばらつきの表現力が改善されることを確認した.また,構築したモデルから,高速に被検者固有の確率アトラスを生成する方法を提案した.続いて,深層学習を用いた統計モデルの構築を進めた.具体的には,Variational AutoEncoder(VAE)を用いたモデル化について検討した.モデル化の対象としては,3次元の肝臓表面と,3次元胸部CT像上の血管の濃淡分布に注目した.前者については,肝臓表面のランドマークの位置を人工的に変化させることで多様なデータを人工的に大量に生成し,学習データを強化した.また,VAEの層数や特徴チャンネル数を,あらかじめ設定した範囲内で網羅的に変化させることで,モデルの性能の改良を試みた.その結果,従来よりも統計的に有意に性能が向上することを確認した.また,後者の血管の濃淡分布のモデル化では,人工画像と実画像を用いてモデル化を行った,人工画像の実験では回転の表現に注目し,人工的に作成した血管を3次元的に回転させることで多様なモデルを構築し,それを用いた学習を行った.実画像を用いた実験では,ヘシアンベースの方法で血管の中心付近を特定して学習用データを収集し,学習を行った.その結果,従来の方法と比べて,精度が大きく改善することが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多様なパターンに対応可能な統計モデルの構築に向けた初年度の取り組みでは,平行移動,回転以外に,臓器表面のランドマークの移動による非線形の変形にも対応可能な方法を提案した.これらの成果により,当初の目的をおおよそ達成できた.
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Strategy for Future Research Activity |
大きく進化する深層学習の成果を踏まえて,深層学習により大きなウエイトを置いて研究を推進する.特に,Generative flow (GLOW)のような優れた生成モデルに注目して研究をすすめる予定である.
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