2018 Fiscal Year Annual Research Report
再帰性反射マーカーを持つ眼球運動計測用コンタクトレンズに関する基礎検討
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18H03269
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
内海 章 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, インタラクション科学研究所, 研究室長 (80395152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥塚 泉 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10211228)
不二門 尚 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50243233)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 眼球運動計測 / コンタクトレンズ / 再帰性反射 / 回旋運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、再帰性反射マーカーをコンタクトレンズ上に配列し、眼に装着したコンタクトレンズ上のマーカーの反射パターンを光学的に追跡することで3軸の眼球運動を高精度で計測する手法について検討を進める。再帰性反射は入射した光が入射方向に反射する光学的特性であり、マーカーに再帰性反射機能を持たせることで観測方向からの照明により高コントラストで安定したマーカー観測が可能となる。コンタクトレンズ上に配置した再帰性反射マーカーの配列パターンを光学的に追跡することで、水平・垂直に回旋運動を加えた3軸の眼球運動を計測できる。低侵襲の光学的手法によって、サーチコイル法に匹敵する精度・安定度での3軸眼球運動計測が可能となることを実際にコンタクトレンズ型デバイスを作成して評価・検証することが本研究の主題となる。 初年度となる本年度は、ソフトコンタクトレンズに素材として使用されるPDMS(ポリジメチルシロキサン)によってコーナーキューブ構造による光学マーカーを作成するために、半導体製造工程に用いられるフォトレジストに対する精密な露光制御によって形成した成形型を利用してPDMSを成形する手法と、金属の切削加工によって作成する精密金型に樹脂を充填することで成形したPDMSを得る手法についてに検討を進めた。その結果、前者のフォトレジストによる方法では安価に複雑な形状を得ることが可能である一方で現像時間・硬化条件・脱気処理の制御における難易度が高く安定した成形型の形成が困難であり、精密金型を利用して樹脂型を形成する方法がPDMS成形の精度・安定性の面で有利であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光学マーカーの形成方法として検討を進めたフォトレジスタの精密露光による手法について精度・安定性の確認に時間を要したため実験期間の延長が必要となったが、最終的には精密金型による成形手法を含めた比較・検討によって当初の目標であったPDMSによるコーナーキューブ構造の形成に目途をつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は初年度に得られた知見に基づいて、精密金型による成形型の形成手法をベースとして、PDMSによるコーナーキューブ構造の形成、レンズ形状デバイスの形成を進める。
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Research Products
(2 results)