2019 Fiscal Year Annual Research Report
Developement and application of wireless haptic interface using magnetics
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18H03270
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
枦 修一郎 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (90324285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 和志 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20203036)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 磁気式3次元位置検出システム / 磁場ベクトル / 磁気トルク / ヘルムホルツコイル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、場(磁場)の利用により、手や指の動きを高精度に計測し、さらにその手指に触力覚をリアルタイムで提示可能な、非拘束・非接触型のハプティックインタフェースを開発することを目的としている。 ⅰ)まず指腹部に貼付された磁石片を介しての触力覚提示のための、3軸ヘルムホルツコイルからなる磁場ベクトルを3次元的に制御可能な、磁場印加システムを構築した。また、構築したシステムを用いて触覚提示手法に関する検討を行った。直流磁場による磁場勾配により磁石に磁気トルクや磁気吸引力を発生させたが、小型の磁石では発生力が小さく、指先での触覚としての検知は困難であった。よって交流の回転磁場を重畳させることにより磁石を微振動させたところ、重畳周波数が200Hz付近で最も大きな触覚を得られ、周波数を変化させることで、触覚の強弱を調整できることが明らかとなった。 ⅱ)構築した3次元磁場印加システムと、磁気式モーションキャプチャの連携による、触力覚フィードバックシステム実現のための検討を行った。まず指の爪部分にモーションキャプチャ用磁気マーカを、また指腹部に触力覚提示用磁石をそれぞれ貼付した状態では、ほぼ問題なく指先のモーションキャプチャが可能であった。しかしながら、3軸ヘルムホルツコイルとモーションキャプチャ用センサアレイシステム及び励磁用コイルの設置時の位置関係よっては、モーションキャプチャが困難になる状況が生じることが明らかとなった。互いに複数のコイルを利用するため、電磁気的な干渉による影響と思われる。よってフィードバックシステムは、赤外線型モーションキャプチャとの連携により構築することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
磁気式モーションキャプチャとの連携によるフィードバックシステムが困難となり、他の手法と連携したシステムを構築することとなったため。但し、想定の範囲内であり、当初の計画からの遅れはわずかである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的である磁気式ワイヤレスハプティックシステムを構築し、その評価を行うとともに、触覚提示用として手指に貼付する柔軟磁石材の利用を検討する。各項目の具体的な検討内容を以下に示す。 ⅰ)構築した磁場印加システムと磁気式モーションキャプチャの連携検討結果より、磁気的な干渉により連携が困難なことが明らかになったことから、赤外線式モーションキャプチャと連携させることでフィードバック可能なシステムを改めて構築する。 ⅱ)バーチャルリアリティ(VR)環境内での手作業を想定した簡易的な3次元グラフィックスを構築し、触力覚フィードバックシステムと連携させることで、ワイヤレスハプティックシステムを構築する。VR環境内に再現された手指と物体の位置関係による接触感、力加減などを、触力覚フィードバックシステムで実際の手指に体感させることができるようにする。 ⅲ)触力覚提示用の磁石材として、シリコンラバーなどに磁石粉末を混合した磁性エラストマーの適用を検討する。通常の焼結型の永久磁石材に比べ磁石性能は低下するが、自由な形状に成形でき、また着磁後の複数の小片を接合することで、3次元的な着磁方向を有する柔軟磁石片を形成できる。これにより、3軸ヘルムホルツコイルからの印加磁場ベクトルが一方向でも、柔軟磁石片は3次元的に変形、また磁気トルクを生じることができ、複雑な触力覚を指腹に提示できると可能性がある。
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