2019 Fiscal Year Annual Research Report
次世代HMDのための1000volume/s超高速体積ディスプレイの開発
Project/Area Number |
18H03271
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
奥 寛雅 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (40401244)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヘッドマウントディスプレイ / 共振型液体可変焦点レンズ / 高速 / 体積表示 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,焦点調節・輻輳と整合する形で3次元情報を1000volume/sの表示レートで提示できる新たな三次元ディスプレイ方式として,(a) 100kHzオーダーで焦点距離を変調できる液体可変焦点レンズと,LED照明のサブマイクロ秒高速変調,DMDによる高速空間光変調とを組み合わせた ,超高速体積ディスプレイ原理を創出し,(b)特にHMD応用を念頭において有効性を実証することを目的とする. 2019年度は,(1)単眼超高速体積表示ディスプレイの試作・評価と,(2)ステレオ超高速体積表示HMDの設計とを行った. (1)単眼超高速体積表示ディスプレイの試作:この試作のためにはLEDによる高速時間変調可能な照明が必要となる.この照明は数百ナノ秒の発光期間と100kHz前後の繰り返し周波数が要求され,市販のドライバーでこの実現に適したものが存在しないため,LED制御用のシステムを開発した.また,LEDから出た光は2次元の明暗パターンを高速に生成するDMDを照明することに利用されるが,LEDから出た光は空間的に明るさの偏りがあり,DMD全体を一様に照らせない.そこで,LEDの発光を一様に変換してDMD上を均一に照明するための光学系を構築した.DMDは最大約6000fpsでバイナリ画像を切り替えることができるものを利用し,DMDで形成された映像は液体可変焦点レンズを通して人間や評価用カメラが観察できるようにした.以上に基づき試作したディスプレイは,1ms間に6枚の画像を切り替えることができ,各画像において,適切なタイミングでLED照明をストロボ発光させることで,任意の焦点距離を利用して画像を提示することに成功した. (2)ステレオ超高速体積表示HMDの設計:以上の実験結果に基づいて,同様のシステムをもう一式組み合わせたステレオ方式のHMDの設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の計画の通りに進行しており,また,外部の対象位置にあわせて動的に三次元提示位置を変更しながら映像提示を行うことにも成功するなど一部前倒しで進展している内容もあり,全体としておおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も基本的には当初の予定に沿って研究を推進する.一方,新型コロナウィルスの影響でテレワークへの要求が高まってきているため,応用実験ではよりテレワークでの利用を念頭に置いた実験を実施する方針とする.
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