2019 Fiscal Year Annual Research Report
手形状と内力の変化がもたらす手首表面の凹凸変化現象の解明と装着型デバイスへの応用
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18H03272
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福井 類 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (80607416)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ウェアラブルデバイス / ユーザインタフェース / 手首凹凸 / 腕時計型デバイス / 人間工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では装着型情報端末のユーザインタフェースおよび手指の動き分析による日常の行動計測手段を実現することを念頭に,腕時計のように手首に装着するだけで手形状と内力(力の入れ具合)を同時に認識可能なデバイスの実現を目指している. 具体的には次の3つのアプローチで研究を行っている.(1)手首表面の凹凸を手首装着型デバイスの内面に搭載された距離センサアレイによって計測する,また同時にモーションキャプチャおよび筋電計を用いて手形状および力の入れ具合も取得する.(2)手首凹凸パターンに含まれる手形状と力の入れ具合の情報を解剖学・バイオメカニクスの知見に基づく特徴量を用いた因子分析によって顕在化し,手首凹凸変化現象がどのように引き起こされているかを解明する.(3)強い影響因子である手首凹凸の特徴量を入力とし,手形状および力の入れ具合を出力とする確率モデルに基づく認識器を用いることで,装着型デバイスとして構成する. 以上の目的のもと,本年度は大きく分けて以下の2つの課題に取り組んだ。(A)解剖学・バイオメカニクスの知見に基づく特徴量を用いた分析,(B)新たな特徴量を高精度・高信頼に計測可能な手首装着型デバイスの開発着手
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各課題の進捗状況は以下の通りである。 (A)解剖学・バイオメカニクスの知見に基づく特徴量を用いた分析:手首凹凸に対して先行研究で設計した解剖学的知見に基づいた特徴量を用いることで,各手形状,力の入れ具合に対して,特徴量がどのように変化するかを観察した.また既存の特徴量をバイオメカニクスの知見に基づき発展させることで,力の入れ具合に寄与する筋肉の大きな変化をとらえる特徴量の設計に取り組み,その変化傾向を分析した.これにより,力の入れ具合がどのような手首凹凸形状の変化として現れるかが明らかになりつつある.しかしそれが手形状による変化とどのように干渉するかは,まだ明らかにできていないため,さらなる分析が必要である. (B)新たな特徴量を高精度・高信頼に計測可能な手首装着型デバイスの開発着手:力の入れ具合に起因する手首凹凸変化は,先行研究で認識対象としてきた手指の動きや手首の屈曲と比較してレンジが広く,また変化する箇所も多岐に渡ると考えられる.そこで新たに設計した特徴量を高精度・高信頼に計測可能な手首装着型デバイスを開発している.これにより,次の認識ステップで用いる特徴量の精度が向上するだけでなく,大きな力を加えた状態での繰り返しの実験が可能な耐久性を有するデバイスの実現への足掛かりを得ることが出来ている.
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Strategy for Future Research Activity |
上記,進捗状況を受けて次年度は以下の課題に取り組む予定である.(A)新たな特徴量を高精度・高信頼に計測可能な手首装着型デバイスの信頼性向上:新たに設計した特徴量を高精度・高信頼に計測可能な手首装着型デバイスの開発を継続し,デバイスの信頼性向上に取り組む。 (B)手形状および力の入れ具合の同時認識器の構築:手形状と力の入れ具合の手首凹凸における干渉の分析を深化させつつ,新たに開発したデバイスとそこから得られる手首凹凸特徴量を用いて手形状と力の入れ具合を同時認識可能な認識器の実現に取り組む.
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Research Products
(2 results)