2019 Fiscal Year Annual Research Report
ワイヤレス時刻同期脳波計の開発と多人数同時脳波計測による共感に関する研究
Project/Area Number |
18H03282
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
成瀬 康 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室, 室長 (00455453)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳波 / 共感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,複数人の脳活動を同時計測可能な無線同期ウェアラブル脳波計を開発し,複数人が実環境に近い形でコミュニケーションをしているときの「共感」に関しての研究を行うことである.昨年度までに、この同時計測可能な無線同期ウェアラブルの開発に成功しており、令和元年度は、これをもちいた実験を行った。具体的には、5名以上の実験参加者がこの脳波計を装着した状態で映画を同時に見るという実験を10回以上行った。映画に関しては様々なジャンルのものをランダムに選択し、視聴することで、実験参加者の興味等で偏らないようにした。。映画視聴中は無線により各脳波計間で時刻同期がなされており、映画の開始と終了のタイミングとも同期できるようにしたことで、脳波のデータと映画のタイミングの同期もできるようにした。また、映画視聴終了後には、映画の視聴歴や興味度、覚醒度、印象に残ったシーンなどのアンケート実施した。このアンケートを基にすることで、例えば映画に対して興味があった人と無かった人でクラスタに分けて解析することで、この映画を通して共感している人としていない人でどのように脳活動が分かれるかについて調べることが可能となる。令和元年度は実験の実施に注力した。ミリセカンド以上の精度で5人以上の脳波が同期した形で取得されているデータは世界で見てもほとんど無く、非常に貴重なデータの取得に成功したと言え、今後は、このデータの解析を行う予定である。また、ヴァーチャルリアリティ下においての共感性の実験を行うための実験系を構築し、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無線同期ウェアラブル脳波計の開発は無事に終了し、それをもちいた共感性に関する実験も順調に行われている。ミリセカンド以上の精度で5人以上の脳活動を同期させたデータは世界にほとんど無く貴重なデータを取得することに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和二年度においては実験を継続する予定であるが、現在の新型コロナウィルスなどの影響で実験を行うことが難しいことから、令和二年度は主にこれまでに取得した実験データの解析を行い、共感に関連する脳活動の抽出を試みる。
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