2018 Fiscal Year Annual Research Report
Machine learning for extracting latent dynamics from data
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18H03287
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河原 吉伸 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00514796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 裕也 東京工業大学, 工学院, 准教授 (40344048)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 機械学習 / データ駆動科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,(課題1) 作用素論的ダイナミクス抽出法のベイズ学習に基づく定式化とその拡張・体系化,(課題2) 主要なダイナミクス特定のための統計的推測方法の確立,及び (課題3) 抽出情報に基づくダイナミクス予測のための学習アルゴリズム構築,の3課題を明らかにすることで研究目的の達成する. 当該年度では,(課題1) の (Sub1-1)「作用素論的解析のベイズ学習を中心とした確率的定式化と学習アルゴリズの導出」に関連して,その基礎となる確率モデルとその推論方法の導出,及びその理論的性質の解析を行なった.本モデルの推定は従来的な動的モード分解のそれへ収束することが示されるが,確率的なモデルであるため,種々の機械学習的なテクニックをこれまで動的モード分解が適用されていたような場面において導入することを実現するため重要なものである.当該年度においてはその一つとして,本モデルをさらに拡張して,非定常な時系列データへも適用可能な確率モデルの導出を行なった.本モデルは,動的モード分解の適用では直接推定が困難であった場面での,時系列データの背後にあるシステムのダイナミクスに関する情報(動的モードの遷移など)の抽出を可能とする. また当初計画では想定していなかった成果の一つとして,自身が以前提案した再生カーネルを用いた動的モード分解を拡張し,構造を持った系列データ(例えば,グラフの系列データなど)へ適用可能な方法を導出した.数理的枠組みとしては,再生カーネルの終域がスカラー値ではなくベクトル値を考えることでこれを実現する.本方法は,例えば集団運動などへ適用することで,その相互関係の動的な性質に関する情報を抽出することを可能とする.本研究においても,魚の集団運動やスポーツのデータによりその有用性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた計画においては,(課題1) の (Sub1-1)「作用素論的解析のベイズ学習を中心とした確率的定式化と学習アルゴリズの導出」について,その基本となる動的モード分解の確率モデルの導出,及びその再生カーネルを用いた一般化を想定していた.前者については計画通り遂行されたが,後者についてはまだ検討途中の段階である.一方で,当初想定していなかったものとして,参画者との議論の中で,自身が以前提案した再生カーネルを用いた動的モード分解を拡張し,構造を持った系列データ(例えば,グラフの系列データなど)へ適用可能な方法の導出が行われた.この成果は,本研究課題においても,今後の研究を進める上で重要なものである. 以上のように,一部計画に遅れが出ているものの,発展的な内容の成果も出ており,全体としてはおおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように,これまでは本研究課題はおおむね順調に進展しており,基本的には今後も当初計画に沿って進めていこうと考えている.一方で,当初は想定していなかったような応用的な広がりも見えてきており,これらについては,本研究課題の発展性を示すために重要であると考えられるため,各分野の研究者と積極的に連携を進めて研究を実施していきたいと考えている.
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