2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H03316
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
橋本 悠希 筑波大学, システム情報系, 助教 (10601883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志築 文太郎 筑波大学, システム情報系, 教授 (20323280)
高橋 徹 筑波大学, システム情報系, 助教 (40780672)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 漆 / 回路 / インタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,身近なモノに漆を塗り,その塗膜内に電子回路を作り込むことでモノに機能を付加する漆インタフェース技術を開発し,従来の生活空間・生活様式を保ったまま最新の機能やサービスにアクセスできる人に優しい情報化社会の実現を目指すものである. 既に人と密接に関わっているモノを情報インタフェースとして機能させることで,「機能ごとに機器を追加する」ことではなく「既にあるモノに必要な機能を追加していく」ことに焦点を当てた本手法は,空間コストを最小に抑え,生活空間に溶け込み,モノのアフォーダンスを用いた自然なインタラクションを実現する. 今年度は,試験片を安定的に作成するための環境整備,多層漆回路作成手法の改良,配線のデザイン化手法の検討を行った.環境整備では,新たに恒温恒湿槽および金属版対応のシルクスクリーン印刷台を導入し,安定的かつ均一な試験片の作成が可能となった.多層漆回路作成手法では,1層あたりの凹凸を減らすため,平滑な漆面に対して溝を作り,その溝に配線パタンを印刷する試みを行った.結果として,凹凸の削減には成功したものの,溝の高さ精度に課題が残った.配線のデザイン化では,簡単な文様と端子の数を入力すると,紋様が配線の一部としてデザインされた回路CADデータが出力されるアルゴリズムを開発し,実装した.これにより,漆器としての付加価値と電子回路による機能付加を両立させることが実現した.今後,多層化への対応や複雑な文様への対応など,実用化に向けた取り組みを進めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置の設置環境構築に時間がかかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
試験片作成のための環境が整ったため,今後は当初計画の通り漆回路の高度化およびインタフェースとしての実用化課題を進めていく.
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