2018 Fiscal Year Annual Research Report
Weak-Robot Concept and Its Application to Microscopic Social Interactions
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18H03322
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
岡田 美智男 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50374096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 孔明 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30816210)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 弱いロボット / 社会的相互行為 / 不完結さ / 調整的行為 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日常の何気ない微視的な社会的相互行為の組織化における、個々の発話や行為に内包する〈不完結さ〉の役割や効用を、人とロボットとのインタラクションの場を用いて構成論的に明らかにしようとするものである。 初年度である本年度は、〈不完結さ〉を含んだ微視的相互行為の事例として、言い直しなどの非流暢性を伴う発話、会話場面における言葉足らずな発話、手渡し行為における躊躇的な振る舞い、喃語などの非分節音などを取り上げた。また、先行研究で構築してきたプロトタイプのロボットをベースに、各事例の相互行為をシミュレートする研究プラットフォームを構築した。 具体的には、(a)聞き手の状態に合わせて発話のタイミング、発話内容を調整しながら発話を行う〈トーキング・アリー〉、(b)昔ばなしを語り聞かせる際に、物語内の重要語を時々忘却してしまう〈トーキング・ボーンズ〉、(c)相手の状態に合わせティッシュの手渡しを調整する〈アイ・ボーンズ〉、(d)言葉足らずな発話によって、聞き手からの助け舟を引き出す〈む~〉、(f)「もこー」「もこもん」「もっこもん」など分節化の進んでいない言葉を発する〈ゴミ箱ロボット〉など、5つのタイプの研究プラットフォームの構築を行い、その基本動作を確認した。 さらに、それぞれの事例について、様々な統制条件下で、各ロボットの不完全な発話や行為から引き出される実験参加者の行為や相互行為の様相についての記述・分析を開始した。これらの成果の一部は、ジャーナル論文、国際会議論文として公開している。また、相手の状態に合わせティッシュの手渡しを調整する〈アイ・ボーンズ〉に関する特許出願を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の通り、初年度においては、言い直しなどの非流暢性を伴う発話、会話場面における言葉足らずな発話、手渡し行為における躊躇的な振る舞い、喃語などの非分節音などを取り上げ、各事例の相互行為をシミュレートする5つのタイプの研究プラットフォームの構築を行い、その基本動作を確認した。また実験協力者とそれぞれのロボットとの相互行為の様相について、記述・分析を開始できている。また、成果の一部はジャーナル論文、国際会議論文として公開している。相手の状態に合わせティッシュの手渡しを調整する〈アイ・ボーンズ〉に関する特許出願を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画にあるように、今後は、それぞれの事例について、様々な統制条件下で、各ロボットの不完全な発話から引き出される実験参加者との相互行為の様相を記述・分析する。また、各応用領域における微視的相互行為の調整モデルを構築・実装し、フィールドでの実証を通して、本研究成果の適用範囲と限界を把握することとする。
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