2019 Fiscal Year Annual Research Report
Weak-Robot Concept and Its Application to Microscopic Social Interactions
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18H03322
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
岡田 美智男 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50374096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 孔明 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30816210)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 〈弱いロボット〉 / 社会的相互行為 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、他者の手助けを上手に引き出しながら合目的的な行為を組織する、関係論的な行為方略を備えたロボット(=〈弱いロボット〉)の研究を進めてきた。ここで着目しているのは、「個体としての機能や意味の〈不完結さ〉が、むしろ他者との共同性やつながりを生み出す上で大切な役割を果たしている」という点である。また、こうした視点は人とロボットとのコミュニケーションや社会的相互行為の領域にも展開できると考えられる。 本研究計画で、前年度に構築を進めてきた〈トーキング・アリー〉や〈ゴミ箱ロボット〉、〈む~〉などの〈弱いロボット〉を研究プラットフォームとして利用し、不完結な発話、忘却要素を含んだ発話、十分に分節化されていない「もこー!」などの言葉を介した微視的な相互行為がどのような条件下で、他者との共同性やつながりを生み出すのかを明らかにしようとしている。 本年度は、言葉足らずな発話を伴うロボットと聞き手との間に、その不完全な発話をフォローするロボットを配置し、どのような会話が生まれるのかを分析・考察した結果をジャーナル論文に投稿した。また、またユーザーからの問い掛けに不足ない情報を提供するスマートスピーカーよりも、代名詞により共通基盤を参照しながらのコミュニケーションに親和性が生まれることを明らかにし、ジャーナル論文に投稿・掲載された。他にも、「もこー」などの発話を行う〈ゴミ箱ロボット〉などの実装を進め、国内シンポジウム等でデモ発表を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、これまで構築してきた研究プラットフォームを用いた実証実験が順調に進展し、3件のジャーナル論文が採択・掲載され、1件のジャーナル論文を投稿中である。また、学内外のシンポジウムの発表に対して、優秀プレゼンテーション賞などの受賞が4件ある。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の研究計画にそって、実験および分析に力を入れて研究を進める。本研究で得られた知見を投稿論文や単行本にまとめる。また近郊の図書館にて、ときどき物忘れする〈トーキング・ボーンズ〉と子どもたちとのインタラクションを収集したデータの分析が残っており、エスノメソドロジー的な観点からの分析を進め、参加者の構成を統制することで、どのような発話が引き出せるのかを調べていく予定でいる。
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