2019 Fiscal Year Annual Research Report
Hierarchization of vision-kansei (affective response) relationship by verification of bidirectionality in semantic-word-spaces obtained by color and visual elements
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18H03323
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| Research Institution | Kochi University of Technology |
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Principal Investigator |
篠森 敬三 高知工科大学, 情報学群, 教授 (60299378)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中内 茂樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00252320)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 視覚・感性関係性 / 色彩感性評価 / 視覚要素感性評価 / 感性評価双方向検証 / 意味語空間 / 色彩心理 / ２色覚 / ２色覚模擬 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究の根幹を成す実験1の手法を確立して、論文をH30年度米学会誌で出版し『色・視覚要素から求めた意味語空間の双方向性検証』手法とそれによる『視覚―感性関係性の階層化』が色刺激に関わる感性評価に対し有力な知見を与える事を示した。
さらに同実験を「実験2-①A 2色覚・異常(多様)3色覚の被験者で実施」した結果、双方向性検証効果により、２色覚者の感性評価に関する長年の疑問の解消に成功する知見を得て、論文出版（論文３）を行った。単語を色によって評価する場合には、２色覚者が色の見えで赤緑反対色が微弱であることを反映した結果（赤を単語『過激な』には割り当てない等）となる一方、色をSD法により意味語対で評価する場合では、3色覚（一般色覚）者とほぼ同様の結果が得られた。これは2色覚者が赤緑そのものは見えていないにもかかわらず、色票の色を推定し、推定した色（赤緑）に対して経験・学習で獲得した印象（感性意味語）を割り当てていることを示す（赤色票の印象を情熱的とする等）。サイン等での色補正（カラーユニバーサルデザイン）が必要な一方、デザイナーが企図した色印象は2色覚者にも理解されることを意味する。成果の意義は大きく新聞等で取り上げられた（備考参照）。
また色印象に影響を与える「1-⑤B ipRGC刺激量変化に伴う明るさ感変動の影響」について、錐体刺激置換法実験装置での実験と解析から論文出版（論文2）を行った。ipRGC刺激により明るさが増大する実験結果が知られる一方、ipRGCが発見されるまでの長年の明るさ知覚実験結果にはipRGC刺激分に相当する誤差が生じていない理由は不明であった。本結果は、刺激の色・輝度がほぼ同じ時にのみipRGC刺激による明るさ感への影響が生じ、それらが異なるときには影響がほぼないことを示し、過去研究と最近の知見の結果矛盾を解消し、色印象の重要性をより強調した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各実験群ごとに令和元年度までの進捗状況を点検・評価する。
【１．色と感性の関係を明らかにする実験・解析群／２．様々な被験者に対応】 研究の根幹となる実験1の手法確立と成果報告として、最初の論文をH30年度米学会誌で出版し、研究タイトル『色・視覚要素から求めた意味語空間の双方向性検証による視覚―感性関係性の階層化』の手法とそれによる階層化が、色刺激に対し有効である事を示した。被験者間の感性相違を調べるため「実験2-①A 上記実験1を2色覚・異常(多様)3色覚の被験者で実施」について、実験・解析を終了し令和元年7月の国際会議で発表（発表3）し英文学会誌に出版（論文3）した。新規追加実験「実験2-①A＋ 実験1を2色覚の見え方模擬刺激を用いて一般色覚被験者で実施」も本年7月に成果発表（発表2）し論文作成中である。
また「1-⑤A 刺激観察時の色照明の影響」として、RGB型LED照明を用い、照明光時間条件と背景の色の豊富さの影響下で色恒常性変化を検討する実験を英文学術誌に出版した（論文1）。「1-⑤B ipRGC刺激量変化に伴う明るさ感変動の影響」について、錐体刺激置換法実験装置での実験と解析を終了し、会議発表（発表1）と米学会誌出版（論文2）を行った。
一方、単色で色相・彩度・明度のうち２つを変動させる「各色刺激を用いた意味語対応色導出法実験（1-①）」の実施、結果から「実験1-② 導出の感性対応軸を変数とした色刺激呈示の実験」を行い、双方向性検証と意味語階層化より色―感性の関係性の機序解明を行う研究は今後の課題である。
【３．視覚要素と感性の関係を明らかにする実験・解析群】これは適切に準備が進み，予定通りの進捗状況である。
【４．fMRI脳計測によるモデルでの機序と脳活動との対応関係の検証】これは上記実験結果を踏まえるものでR２年度以降での実施であり，予定通りの進捗状況である。
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| Strategy for Future Research Activity |
前述の様に、本申請研究での根源的な研究手法である『意味語空間の双方向性検証による視覚―感性関係性の階層化』が、色刺激では高精度で行えること、２色覚者における感性関係性の階層が明らかとなった。これらを踏まえると予定通りの計画推進が可能であり、学術的に計画に特段の問題点は生じていない。
一方、新型コロナウイルス感染防止対策の関係上、対人実験を自粛／抑制する必要が生じている。特に、色彩での実験は暗室での観察を要するため、抑制～休止を余儀なくされており、実験準備を中心とすることも視野に入れる。
【１．色と感性の関係を明らかにする実験・解析群】 「色相・彩度・明度を変動させた色刺激での実験（1-①）」と、「実験1-② 導出の感性対応軸を変数とした色刺激呈示の実験」を行う。「実験1-③ 2色配色での実験」を実施し「モデル化1-④ 結果比較から各意味語の安定性を検証」する。
【２．様々な被験者に対応した実験・解析群】 「実験2-②A 各年齢の被験者」や「実験2-③A 自閉症(ASD)や発達障碍(ADHD等)の被験者」実験を予定していたが、現状当該外部被検者実験は困難であり、後年度の実施とする。
【３．視覚要素と感性の関係を明らかにする実験・解析群】 視覚要素である表面形状と感性の関係を求め、物体知覚へ拡張する実験群について、特に『色・表面形状の設定と表面性質（表面パターン、尤度等）設定による質感知覚変化刺激』の作成を行い、表面の形状特徴量変化刺激を用いて「3-① 意味語対応の表面形状導出法実験」を実施する。色・表面形状と表面性質の設定による質感知覚変化刺激から「実験3-⑤ 意味語対応表面性質導出法実験」「実験3-⑥ 感性対応軸変数での呈示刺激の実験」「⑧モデル化」を行う。本実験群は、それ程多くない学生被験者で、暗室を使わない遠隔実験でも実施可能なため、当面この部分に注力する。
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| Remarks |
上記第3のURLは前頁論文業績3のプレスリリース(大学News&Topics)，第4，5のURLは同論文の新聞社等報道Webページ
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