2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on sound design based on spatial saliency
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18H03324
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
添田 喜治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (10415698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下倉 良太 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (90455428)
吉野 公三 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (10358343)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 顕著性 / 頭部伝達関数 / 両耳間相互相関度 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来研究より、音源位置の仰角方向の変化に影響するのはτ1, φ1, τeの3つのパラメータであると考えられたが[1]、全ての音源に共通した変化の仕方は捉え難いものであった。先行研究では、33 μsのインパルスをスピーカから流し、インパルス応答を計測している[2]。今回用いた音源は、HRTFと音楽を畳み込んだものであり、インパルスのような単純音源ではなく、いくつかの音が重なり合った複雑な音源であったためにこれらパラメータが仰角成分に与える影響をうまく抽出できなかった可能性が考えられる。 また、先行研究[1]における仰角の条件は0°, 45°, 180°の3条件であるが、0°, 45°に着目すると、τ1は変化しておらず、φ1も僅かに変化しているのみである。最も大きく影響を与えるのは、τeであると考えられるがこれに関しても変化の幅は1 msほどである。よって、今回の結果の0°から45°の変化に注目して見れば、全ての音源、特に今回のように音楽音源のような複雑なもの対してはなおさら共通した変化が見られないことは十分考えられる。一方、IACCやwIACCのパラメータは仰角が上昇するにつれて、値が減少していくような傾向が確認でき、相互相関指標が仰角の変化に影響を与える可能性があると考えられる。 さらに、仰角を0°で固定し水平方向の変化に着目した場合も相互相関指標が有効である可能性が伺える。自己相関指標のτeも正の相関が見られるが、IACCやtIACCはよりシステマティックな変化を見ることができる。この結果は、ヒトの耳が左右対称にあるために、水平方向の変化に対しては両耳の刺激音の感知の仕方から音源位置を定位することができる可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空間的顕著性に影響を及ぼす物理要素を見出すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
心理反応に加えて生理反応を解析することで空間的顕著性評価モデルを確立する.
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Research Products
(6 results)