2018 Fiscal Year Annual Research Report
Bayesian Modeling for Understanding Systems of Immune Responses and Revealing Immune Escape Mechanisms
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18H03328
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井元 清哉 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10345027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 英刀 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (50361621)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ベイズモデル / 免疫システム / HLA / ネオ抗原 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、HLA遺伝子の解析、ネオ抗原の予測、浸潤免疫細胞の解析、T細胞・B細胞受容体レパトア解析等それぞれの免疫ゲノムデータ解析技術を統合し、免疫反応をシステムとして捉えるベイズ型数理モデルを構築することを目的としている。
平成30年度は、特にHLA遺伝子の解析技術について開発研究を進め、全ゲノムシークエンスデータから高精度にHLA遺伝子型を決定することのできるベイズ統計学に基づく数理モデルを構築した。この情報解析技術を用いることにより、これまでは50%程度(Bauer et al., Briefings in Bioinformatics, 2016)であった全ゲノムシークエンスデータからのHLA遺伝子型の決定について、98%以上の精度を達成するという革新的な結果を得た。また、開発した技術は、HLA遺伝子型について、これまで知られていない型も予測できるよう、HLA遺伝子の配列を予測する機能も備えており、新たな型の発見や未だ多くの型で決定されていないプロモーターやイントロンなど非翻訳配列のDNA配列の決定も行える特徴を有している。加えて、このベイズモデルをがん細胞からのシークエンスデータ、および対照正常細胞からのシークエンスデータにそれぞれ当てはめ、HLA遺伝子のDNA配列を比較することによりがん特異的な変異の発見も可能であることを示した。本研究成果は、Hayashi et al., BMC Gneomics において論文としてまとめた。この中であたらな問題も見いだしている、それぞれ独立に解析するよりも同時に解析できるモデルがより精度の高い予測ができることが期待されるため、統合モデルの開発研究をスタートさせた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定医通りに全ゲノムシークエンスデータからのHLA遺伝子型決定を高精度に行える手法の開発、および論文としてまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はがん細胞からのシークエンスデータと対照正常細胞からのシークエンスデータを統合して解析するモデルの開発、ネオ抗原の予測ツールの開発を予定通りに進める。
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Research Products
(5 results)