2018 Fiscal Year Annual Research Report
多次元異種データ統合モデルによる個別化病態の経過予測とその制御
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18H03329
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 類 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (90380675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 和明 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00647498)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 病態遷移モデル / 個別変異データ / スパースモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、患者個人から得られるゲノム時系列データを含む異種多次元情報を統合し、個人の異質性を考慮した上で、病態の経過を予測しかつ制御するための情報を抽出する数理的方法論を構築することを目的としている。 この目的の為、初年度は、適切に研究を推進できるような研究の基盤整備をまず行なった。次に、患者個人の予後に寄与するバイオマーカーとして、血清中の腫瘍由来循環DNA(ctDNA)に注目し、予後との関連の予備検討を行った。また個人間の異質性を考慮したスパース制約を課した異種ランダム効果モデルの開発を進めた。 具体的には以下の通りである。1) 後方視的観察研究計画書の策定と倫理申請:東京大学医科学研究所附属病院で取得された、血液疾患患者のデータを使用し、情報を抽出するための研究計画書を準備し、機関内の倫理審査申請を行なった。2) 数理モデル作成のための症例選定と同意の取得:治療歴があり、ゲノムデータ解析の為の腫瘍検体が利用可能な症例200例の同意を取得した。3) ゲノム解析:2)のうち69例の急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)の症例において治療前の腫瘍検体を用いたゲノム解析を行ない、症例毎に異なるAMLのドライバー変異を同定した。 4) ctDNA検出アッセイの作成:症例毎に異なるAMLのドライバー変異を基に、血清中ctDNA検出アッセイを作成し、治療後(移植含む)の血清検体を用いてctDNA検出を試みた。5) 血清中ctDNAと予後の相関の検討:検出されたctDNA中の変異と予後の相関を検討し、移植や治療後ctDNAが検出される症例では、有意に再発率が高く予後不良であることを明らかにした。さらに、血清由来のctDNAを用いた再発予測性能は、骨髄を用いた場合と同等である事を証明した。6) スパース制約を課した新規ランダム効果モデルの定式化および性能検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、適切に研究を推進できるような研究の基盤整備をまず行なった。次に、患者個人の予後に寄与するバイオマーカーとして、血清中の腫瘍由来循環DNA(ctDNA)に注目し、予後との関連の予備検討を行った。また個人間の異質性を考慮したスパース制約を課した異種ランダム効果モデルの開発を進めた。 具体的には以下のように進捗している。1) 後方視的観察研究計画書の策定と倫理申請:東京大学医科学研究所附属病院で取得された、血液疾患患者のデータを使用し、情報を抽出するための研究計画書を準備し、機関内の倫理審査申請を行なった。2) 数理モデル作成のための症例選定と同意の取得:治療歴があり、ゲノムデータ解析の為の腫瘍検体が利用可能な症例200例の同意を取得した。3) ゲノム解析:2)のうち69例の急AML、MDSの症例において治療前の腫瘍検体を用いたゲノム解析を行ない、症例毎に異なるAMLのドライバー変異を同定した。 4) ctDNA検出アッセイの作成:症例特有のドライバー変異を基に、血清中ctDNA検出アッセイを作成し、治療後(移植含む)の血清検体を用いてctDNA検出を試みた。5) 血清中ctDNAと予後の相関の検討:検出されたctDNA中の変異と予後の相関を検討し、移植や治療後ctDNAが検出される症例では、有意に再発率が高く予後不良であることを明らかにした。さらに、血清由来のctDNAを用いた再発予測性能は、骨髄を用いた場合と同等である事を証明した。6) スパース制約を課した新規ランダム効果モデルの定式化および性能検証を行った。 上記の予備的知見から、特に治療後の骨髄などの腫瘍検体が得られない症例においては、ゲノム時系列データの代替として、ctDNAも数理モデルにパラメータとして組み込むべきであると考えられた。更に、開発中の新規モデルの適用の検討も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は数理方法論構築に資するデータ抽出を引き続き推進したい。具体的には、同意の得られた症例において、引き続きゲノム解析を推進したい。特に造血幹細胞移植症例に関しては、治療内容が均一であり、モデルの作成に適していると考えられる。そこで、本年度は造血幹細胞移植症例100症例を含む130例を目標にゲノム解析と治療後のctDNAの解析を行う予定である。 また同時に、得られたデータを基に個人の異質性を考慮した数理的方法論の構築を進める予定である。具体的には、昨年までのctDNA等のバイオマーカを用いた予備的検討では、個人の異質性を考慮しない、単変量解析に基づく予後との相関解析を用いた、ここに昨年度に開発を進めた、個人の異質性を考慮した、スパース制約付きランダム効果モデルの適用を進め性能の検証を行うとともに、推定された個人の異質性を表現するのに重要な変数群(変異等)の医学的および生物学的意義を吟味し、新規知見の抽出を狙う。さらに、同一個人の病態進展、治療前後などの時系列データに対応したモデル構築も進める予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Circulating tumor DNA predicts post-allogeneic hematopoietic stem cell transplantation in AML and MDS2019
Author(s)
Nakamura S, Yokoyama K, Shimizu E, Yusa N, Ogawa M, Takei T, Kobayashi A, Ito M, Isobe M, Konuma T, Kato S, Kasajima R, Wada Y, Nagamura-Inoue T, Yamaguchi R, Takahashi S, Imoto S, Miyano S, Tojo A
Organizer
Molecular Med Tri-Con
Int'l Joint Research
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[Presentation] Prognostic Impact of Circulating Tumor DNA Status Post-Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation in Acute Myeloid Leukemia and Myelodysplastic Syndrome2018
Author(s)
Nakamura S, Yokoyama K, Shimizu E, Yusa N, Kondoh K, Ogawa M, Takei T, Kobayashi A, Ito M, Isobe M, Konuma T, Kato S, Kasajima R, Wada Y, Inoue-Nagamura T, Yamaguchi R, Takahashi S, Imoto S, Miyano S, Tojo A
Organizer
60th ASH Annual Meeting
Int'l Joint Research
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[Presentation] Residual circulating tumor DNA status in relapse prediction post allogeneic hematopoietic stem cell transplantation2018
Author(s)
Nakamura S, Yokoyama K, Yusa N, Kondo K, Ogawa M, Takei T, Kobayashi A, Ito M, Jimbo K, Tanoue S, Isobe M, Konuma T, Kato S, Shimizu E, Kasajima R, Wada Y, Yamaguchi R, Imoto S, Nagamura-Inoue T, Takahashi S, Miyano S, Tojo A
Organizer
第13回生命医科学研究所ネットワーク国際シンポジウム
Int'l Joint Research
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[Presentation] 腫瘍由来循環DNAを用いたAMLおよびMDSの移植後微小残存病変の検出に関する後方視的解析2018
Author(s)
Nakamura S, Yokoyama K, Yusa N, Kondo K, Ogawa M, Takei T, Kobayashi A, Ito M, Jimbo K, Tanoue S, Isobe M, Konuma T, Kato S, Shimizu E, Kasajima R, Wada Y, Yamaguchi R, Imoto S, Nagamura-Inoue T, Takahashi S, Miyano S, Tojo A
Organizer
第80回日本血液学会学術総会
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[Presentation] Impact of residual circulating tumor DNA status post allogeneic hematopoietic stem cell transplantation on outcome in acute myeloid leukemia and myelodysplastic syndrome2018
Author(s)
Nakamura S, Yokoyama K, Yusa N, Kondo K, Ogawa M, Takei T, Kobayashi A, Ito M, Jimbo K, Tanoue S, Isobe M, Konuma T, Kato S, Shimizu E, Kasajima R, Wada Y, Yamaguchi R, Imoto S, Nagamura-Inoue T, Takahashi S, Miyano S, Tojo A
Organizer
45th IMSUT Founding Commemorative Symposium