2020 Fiscal Year Annual Research Report
人間の意思決定の深層モデル化に基づくヒューマンコンピュテーション基盤の構築
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18H03337
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小山 聡 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (30346100)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヒューマンコンピュテーション / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒューマンコンピュテーションにおいて人間にタスクを依頼する際には、その意図を明確に説明することが作業結果の品質向上に不可欠である。例えば、よく似た2つのクラスの画像の分類を作業者に依頼する場合、ある画像がなぜクラスAではなくクラスBであるのかを、明確に説明できることが重要である。反事実的画像説明はこのような説明を具体的な画像を用いて実現する方法であるが、既存の方法は生成される画像に不自然さが残るといった課題があった。そこで本研究では、深層生成モデルを用いて、より自然な反事実的画像説明を生成する方法を開発した。生成した画像説明をクラウドソーシングで作業者に提示する実験を行い、作業品質が向上することを確認した。また、深層生成モデルを用いて画像を生成する際、利用者が望む画像が生成されるように出力を制御可能であることが望ましい。そこで、教師なし学習であるクラスタリングと組み合わせて、人間に理解しやすい潜在特徴が自動的に獲得できる方法を提案した。提案手法は、データに全くラベルが与えられていない教師なし学習と、一部のデータにラベルが与えられている半教師付き学習の両方の問題設定において、新規データのラベルを潜在特徴として精度よく推定することができ、さらにこのラベルを変更することで、出力する画像を変化させることができる。文字画像およびファッション画像のデータセットにおいて提案手法の有効性を検証した。これまでにレビュー文や知識グラフを利用して取り組んできた推薦システムの研究において、知識グラフ上での探索にランダムウォークを利用する方法を導入した。これにより、ユーザとアイテム間のメタパスレベルの類似度を推薦に活用することを可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反事実的画像説明の生成や人間に理解しやすい潜在特徴の画像からの抽出など、ヒューマンコンピュテーションにおける人間の作業を支援するために重要な技術を開発することができ、国際会議において発表を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒューマンコンピュテーションによって複数の人から提供された訓練データを統合して学習を行う方式の研究を行うとともに、引き続き反事実的画像説明や説明性の高い推薦システムの研究に取り組み、国際会議や論文誌に投稿して採録を目指す。
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