2018 Fiscal Year Annual Research Report
Realizing Situated Multi-Language Communication Environments Based on Service Composition
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18H03341
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 冬惠 京都大学, 情報学研究科, 特定准教授 (90534131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 陽平 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (00435786)
大谷 雅之 近畿大学, 理工学部, 講師 (00782682)
石田 亨 京都大学, 情報学研究科, 教授 (20252489)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サービスコンピューティング / 多言語コミュニケーション環境 / 状況依存型サービス連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
利用文脈に応じるサービス連携の高品質化では、利用者とサービス品質を含む2次元のデータに利用者の文脈を反映する状況の次元を導入し、サービス品質を最大化するための状況依存型サービス推薦(Situated Service Recommendation)アルゴリズムを初期に提案した。この成果をサービスコンピューティングのトップ国際会議IEEE SCC 2018において発表した。また、実証実験に向けて、多言語サービス基盤「言語グリッド」における言語サービスの層と多言語アプリケーションの層の間に、サービス呼び出しコンポーネント層を実現し、多言語コミュニケーションのデザイン環境として拡張した。この成果を国際会議IC4E 2019においてPlenary Talkを行った。また、多様なIoS/IoTサービスを多言語コミュニケーション現場に適用する際のサービス間の相互影響について分析を行った。 IoSとIoTを統合するサービス基盤の高度化では、ネットワーク化されたサーバー上に、エージェント群を展開し、センサー・デバイス群を制御することが求められる。そこで、本研究では分散環境を制御するマクロエージェントと、分散問題解決のためのマイクロエージェントの2層構成のアーキテクチャを設計した。マクロエージェントは、各サーバー上に予めインストールされ、メタシナリオに従って周囲のマクロエージェントと通信し自己組織的にネットワークを形成する。一方、マイクロエージェントは、各サーバー上のデータ構造として実装され、マクロエージェントの制御下で問題解決を行う。これにより、マイクロエージェントは物理的な分散環境を意識することなく、別のサーバ上のマイクロエージェントとインタラクションをとることが可能になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
利用文脈に応じるサービス連携の高品質化では、2段階の状況依存型サービス推薦手法を提案し、おおむね順調に進展している。具体的には、まずデータのスパース性を対応するため、機械学習を用いてサービスデータの拡張を行った。次に、テンソル分解を用いてサービス品質を予測した。多言語サービス基盤において、178,126回のサービス呼び出しデータを用いて初期的に提案手法を検証し、従来の手法よりもサービ品質の予測精度で14%向上させている。また、多言語コミュニケーションにおける状況依存型サービス連携の分析の一例として,機械翻訳サービスの出力を人が観察した際の表情をカメラで取得し分析した。データの分析には、深層学習の一つで時系列解析に特化したLSTM (Long short-term memory)を利用し、翻訳サービスが出力した翻訳文と原文を併記した文を見た人の表情値の変化から、翻訳文の誤訳検出を行った。その結果、誤訳を見た際の表情値の変化パターンの特定を検証し有効性を確認している。 IoSとIoTを統合するサービス基盤の高度化では、2層構成の大規模マルチエージェントアーキテクチャを設計し、おおむね順調に進展している。具体的には、ユーザの移動に伴うエージェントの参加、離脱が自由なオープンなシステムを構築するために、実行時の環境に応じてシナリオをエージェントに動的に割り当てられるよう、シナリオの実装と、その実装のエージェントへの割り当てを分離したアーキテクチャの構成とした。さらに、シナリオの割り当てのようなメタ制御を担当するマクロエージェントを制御するために、メタシナリオを記述するために必要となる言語機能を同定し定義した。この成果に基づいて、国際ワークショップMMAS 2018をオーガナイズし、研究発表と議論を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
利用文脈に応じるサービス連携の高品質化では、これまで提案してきた状況依存型サービス推薦手法の拡張に取り組む。現在はサービスの利用データから時間や位置などの文脈情報を状況として扱っているが、今後は、利用者の文脈情報から自動的に状況を抽出し、IoS/IoT統合環境において、新しいサービス連携のフレームワークとして考案する。また、多言語コミュニケーション環境の実証実験では、今後は、観光や医療支援などの多言語現場の対話エージェントの実現を実証対象とし、状況依存型サービス連携技術の基盤研究成果を順次的に実世界に適用する。 IoSとIoTを統合するサービス基盤の高度化では、IoS/IoT統合基盤を実現するためのサービスインタフェースの標準化を行い、IoT環境のセンサー・デバイスサービスの管理機構を実装し、サービス間の相互接続と運用を可能とする仕組みを考案する。大規模マルチエージェントアーキテクチャでは、シナリオ記述言語を拡張し、メタシナリオの処理系を実装する。これにより、マクロエージェントが自己組織的にネットワークを形成し、シナリオの実行可能なマイクロエージェントの発見およびシナリオの割り当てを可能とする。まずは初期実装を終えて、センサー・デバイスと言語サービスを連携させて、多言語コミュニケーションを支援するシステムのプロトタイプを構築する。
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Research Products
(5 results)