2018 Fiscal Year Annual Research Report
New Theories of Literacy for Media Infrastructures
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18H03343
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水越 伸 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (60219623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒谷 真美 実践女子大学, 人間社会学部, 教授 (20413122)
長谷川 一 明治学院大学, 文学部, 教授 (70401239)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メディア・リテラシー / メディア論 / インフラストラクチャー / プラットフォーム / 批判的理解 / SNS |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は下記のような研究活動を展開した。研究プロジェクトのブログを立ち上げ、内外に向けたイベント告知や実践レポートなどの公開を開始した(http://infra.mediabiotope.com)。 ・4月以降、月1回程度の定例研究会を合計9回開催した。その内容は、研究者や実務家を交えた理論的な報告や意見交換をおこなうものと、メディア・インフラストラクチャー(以下インフラ)関連事業者に対する聞き取り調査と意見交換などを中心にしたものの両方があった。このうち4月には、毛利嘉孝、アレクサンダー・ザルテン、水嶋一憲の各氏を招き、また10月にデビッド・バッキンガム(海外協力者)、村田麻里子、渡邉英徳の各氏を、3月にはワレン・サック氏を招き、国際セミナーを開催した。3月にはモバイル研究の木暮祐一氏を訪問し、聞き取り調査などを実施した。 ・8月にカルチュラル・スタディーズの国際学会(上海)で、メディア・インフラとしての空港について報告した。10月(香港)、11月(リトアニア)にメディア・リテラシーの国際会議で報告し、両会議を通じてインフラ・リテラシーに関する研究がほとんど見当たらないことを確認した。 ・年度後半以降、4類型仮説のうちレベル1と2に相当する段階のワークショップ(以下WS)を合計3つ、デザインした。3月にパイロット実践をおこない、その評価分析をおこなった。その方法は、アンケート調査、インタビュー調査、ビデオ分析、会話分析など複合的に組み合わせて独自に開発した。 ・19年9月に、ベルギー、イギリス、オランダを訪問し、有力研究者らとのインフラ・リテラシーの理論に関する意見交換や成果発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・公開研究会や内外の学会報告を通じて、現在のメディア論においてインフラがどのようにとらえられているか、またメディア・リテラシーにおいてそれがいかに触れられていないかについて、概況を把握できた。 ・4段階仮説のうち2つの段階のWS、「風景写真ランキングを作ってみよう」(第1段階)、「風景写真の場所を探してみよう」(第1段階)、「過去の『検索』を想像してみよう」(第2段階)の3つをデザインし、実践することができた。この成果をもとに19年度に学会発表等をおこなう予定である。 ・学会発表、公開研究会、論文やエッセイ、ブログでの情報発信等を通じて、インフラ・リテラシーへの注目を集め、内外のネットワークを形成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
・18年度は順調に研究を進められたため、19年度も申請時の予定にほぼ従って推進する予定である。 ・18年度に得ることができたインフラ・リテラシーについての理論的知見、3つのWSに関する実践的成果を学会等での発表、および論文等のかたちで公開していく。 ・4段階仮説の残り2つに対応したWSのデザインと実施、およびその評価分析をおこなう。
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