2018 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語会話意欲を高める対話エージェントによる授業実践・意欲向上モデルの構築
Project/Area Number |
18H03345
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
瀬田 和久 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (50304051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 満 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80212786)
小尻 智子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (40362298)
田中 孝治 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 講師 (60583672)
林 佑樹 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 助教 (40633524)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 第二言語コミュニケーション意欲 / 情動伝染 |
Outline of Annual Research Achievements |
第二言語学習の動機として,成績に関連した短期的目標と異文化コミュニケーションを目的とした長期的目標の二層の目標を持つことの重要性が指摘されている.日本では,日常場面において第二言語(英語)で外国人と交わる機会を有する学習者は少なく,短期的目標に向けた鍛錬での英語学習への動機はある一方で,基礎知識は高いレベルにあるにも関わらず,長期的目標を掲げて積極的に関わる意欲が培われにくい問題がある. 一方,人はコンピュータに親近感や信頼感を持ち,実在の人物と同様にコンピュータに接することがある.Affective Computingと呼ばれる計算機科学分野の先行研究では,人間の情動的状態を計算機が捉えることにとどまっており,人の情意に計算機が直接働きかけ,学習目標に対する効果を明らかにした研究は皆無である.そこで本研究では,第二言語WTCの向上に資する会話戦略を第二言語教育論で明らかにされてきた知見に基づいて組み込んだアニメーション・エージェントを開発し,それとの英会話実践,疑似体験を積ませることで,実場面での交流に資する暗黙知の形成を図ることを目指す. ヒトの情動的な側面を計算機が刺激し,知的能力の向上に肯定的影響を与えることが可能か(ヒトと計算機の間で情動伝染が起こるか)? また,それに寄与する要因は何か?という問いにアプローチするために,初年度は,パイロット実践による会話戦略モデルの精緻化,授業実践モデルと教材開発のオーサリングシステム開発に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度の研究計画を遂行するうえで会話エージェントが採用する会話戦略とWTC向上との関連性について,パイロット実践により興味深い成果が得られたため.また,実践展開する上でのシステム基盤が整ったことから,おおむね順調である.オーサリングシステムの基本設計も概ね目処が立ち,引き続き計画に沿って進めることができる状態にあるため.
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Strategy for Future Research Activity |
パイロット実践により好感触が得られたので,高等教育現場での授業実践を通じた会話戦略モデルの実証的な構築と検証を行う.また,オーサリングシステムを実装する.
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