2022 Fiscal Year Annual Research Report
頭部IVR患者を対象に放射線白内障の線量応答を解明し将来の発症リスクを予測する
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18H03376
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
盛武 敬 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学研究所 放射線規制科学研究部, 部長 (50450432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛田 伸吾 弘前大学, 医学研究科, 教授 (30352313)
吉永 信治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (50270616)
佐々木 洋 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60260840)
松丸 祐司 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70323300)
永田 竜朗 産業医科大学, 医学部, 准教授 (80389460)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射線白内障 / 頭部血管内治療 / インターベンショナルラジオロジー / 医療被ばく / 職業被ばく / 水晶体微少混濁 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度までに脳血管内手術(IVR)時の水晶体被ばくによる遅発性白内障の発生に関する水晶体観察研究を施行しており、その初期観察結果は以下の通り。 【方法・対象】2020年2月以降にIVRを施行、術後7日以内に細隙灯で水晶体観察とデジタルカメラ撮影を施行した45症例。初回水晶体観察時に白内障の診断となった26例(57.7%)は観察調査から外した。残り19例中6か月以上の水晶体観察調査が実施できた5症例(男/女=1/4、平均年齢54.4歳)を今回の研究対象とした。5症例の内訳として、疾患名は脳硬膜動静脈瘻(dAVF):4例、未破裂脳動脈瘤:1例であった。IVRは合計9手技施行され、経静脈的塞栓術(TVE):3例(うち1例は施行のみ)、経動脈的塞栓術(TAE):1例(合計4手技)、Flow diverter留置術:1例(合計2手技)であった。RADIREC装具による水晶体被ばく線量測定は5例中4例に実施した。 【結果】水晶体観察は平均21.4か月間(range:6~31か月間)施行され、5例中いずれも白内障を示唆する所見は認めなかった。RADIREC装具によるIVR時の水晶体被ばく線量について、500mGyを超えた例は4例中1例であった。この症例は海綿静脈洞部dAVFに対しTVEを試みた際に長時間(透視時間合計8時間24分)かつ高線量被曝(積算線量:正面7544mGy、側面3697mGy)となっており、今後長期間の観察調査が必要と思われる。 【考察】平均21.4か月間の追跡調査で、IVR後の白内障発症は認めなかった。本研究の制限として、症例数が少ないこと、追跡期間が少ないこと、無散瞳での観察であり水晶体辺縁部の評価が不十分であることなどが挙げられる。今後さらなる症例の積み重ねが必要と思われる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)