2020 Fiscal Year Annual Research Report
Transfer of mercury and other trace elements between dam and fetus, and search of related gene expression in the small Indian mongoose.
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18H03386
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Research Institution | National Institute for Minamata Disease |
Principal Investigator |
寳來 佐和子 国立水俣病総合研究センター, その他部局等, 室長 (60512689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国末 達也 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90380287)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 母子間移行 / 水銀高蓄積種 / 水銀 / セレン / ヒ素 |
Outline of Annual Research Achievements |
母子間移行に関する研究は、血液を用いた研究は数多くあるものの、母親の曝露によって、どの程度胎児(仔)の臓器組織に蓄積するかに関する報告は僅少である。本研究の対象動物種であるフイリマングース体内水銀レベルは、魚食性の鯨類と同様に比較的高値を示し、水銀に対する防御機構の一種だと考えられる有機水銀の無機化やHg/Seモル比の関係も同様のパターンを示す。また、水銀による毒性影響の報告はみとめられていないことから、本種を水銀毒性に対して耐性を有する水銀高蓄積野生動物種のモデル動物とみなし、自然曝露による母仔間の微量元素移行に焦点を当てて、生体防御のための水銀とセレン、その他の微量元素の母子間移行の特徴を明らかにすることを目的とした。 沖縄で捕獲されたフイリマングース成獣メス妊娠個体12検体とその胎仔29匹を分析に供試した。それら29母仔ペアについて鼻梁元素の母子間移行を解析した。水銀高蓄積種である本種において、胎仔水銀濃度に雌雄差はみられなかった。胎仔臓器において、有機水銀が成獣よりも有意に高値を示す臓器組織はなかった。ヒトでは母体血より臍帯血で水銀濃度が高いことが報告されていることから、水銀高蓄積種では、母親の水銀が胎仔に移行しにくいメカニズムが存在することが推察された。有機水銀の無機化は胎仔期から生じていることが示された。本研究結果から、母親の水銀曝露から胎仔を守る水銀高蓄積種特有の機能が存在することが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年から2021年にかけて国内外のコロナ感染拡大防止対策により、当初の計画通りの野外調査を遂行することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年まで繰り越し、ようやく予定していた国外での調査を遂行できたことから、今後分析と解析を行い、総括する。このように大幅に遅れてしまったが、必ずやり遂げる所存である。
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