2020 Fiscal Year Annual Research Report
Behavior of MeHg production in a Hg(II) ion spiked paddy field soil during multi-year rice cultivation and the mechanism of MeHg accumulation in rice grain
Project/Area Number |
18H03392
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
児玉谷 仁 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (30434468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一谷 勝之 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (10305162)
山本 正浩 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), 研究員 (60435849)
武内 章記 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境計測研究センター, 主任研究員 (10469744)
神崎 亮 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (50363320)
冨安 卓滋 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (60217552)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コメ / メチル水銀 / 無機水銀 / 水田 / 土壌 / 汚染 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究において、稲の有無によらず土壌のメチル水銀濃度が変化すること(収穫期で低下)を確認した。その理由を明らかにするため,土壌に添加した水銀イオンの化学形態の変化について検討を進めた。 水銀の存在形態別分析法として,逐次抽出法を採用した論文がいくつか報告されている.そこで,報告されている手法を組み合わせ水銀の存在形態を7つに分別する手法を確立した。今年度,新たに水銀イオンを添加した土壌では,水銀イオンの添加から3ヶ月後には有機態30 %, 金属水銀・結晶性酸化物態53%,硫化物態15%となっており,その後4か月間ではほとんど変化していなかった。よって,栽培期間内(約180日)の間の土壌のメチル水銀濃度変化は,他の要因により起こっているものと考えられた. 一方,より長い期間での水銀の化学形態の変化について確認するため,2015年に水銀イオンを添加し,2017年まで3年間にわたり稲を栽培した土壌についても同様に存在形態別分析を進めた。この土壌試料では,添加初年度は高いメチル水銀濃度が確認されたが,2,3年目は年間を通じて,初年度よりメチル水銀生成濃度が低いことを確認している。3年間の土壌における存在形態を同一時期(収穫期)で比較したところ,有機物態は2015,2016,2017年でそれぞれ25%、15%、16%と減少し,一方,硫化物態は50%,59%,64%と増加していることが確認された。この結果は,水田土壌は還元的環境に置かれるため,土壌で生成した硫化物イオンにより,無機水銀の形態が徐々に安定な硫化物態となり,最初の形態である水銀イオンと比べ,メチル水銀化しにくく,コメへの影響も小さくなるものと考えられた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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