2020 Fiscal Year Annual Research Report
The influence of past long-term environmental change on the diversity of phytoplankton and zooplankton
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18H03414
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
奥村 裕 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水研機構(塩釜), 主任研究員 (80371805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 淳 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (60344199)
入月 俊明 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (60262937)
荒川 久幸 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (40242325)
松岡 裕美 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (60222296)
門叶 冬樹 山形大学, 理学部, 教授 (80323161)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 柱状コア / 長期変動 / プラントン |
Outline of Annual Research Achievements |
女川湾柱状泥(約50cm)について、貝片など多く検出された30cm前後の堆積層を中心に詳細な放射性炭素年代測定を行った。貝片が多く観察された堆積層は主に700年~900年代となっており、一部堆積の逆転が観察された。そのため、貞観地震(869年)の津波痕跡と推察した。一方、それ以外の10cm~50cmについては、堆積深度と年代に相関関係が認められ、紀元前100年頃~1600年頃まできれいに堆積していることを確認した。柱状コアのアルケノン分析より年代ごとに値の変動はあるが300~600年頃は水温が高く、700年~1600年頃は水温が低かった可能性が推察され、過去の水温履歴についておおよそ把握することができた。層別の柱状泥からDNAを抽出し、PsbA(葉緑体)遺伝子を対象としたPCR産物の次世代シーケンサーによる解析では、現在の東北沿岸における優占種である珪藻ではなく別の分類群が優占しており、女川湾では過去に現在と異なる植物プランクトンの群集構造であった可能性が推察された。 また、長面浦底泥試料の18S rDNA遺伝子を対象とした遺伝子解析では、植物プランクトン以外の生物があまり検出できなかったことから、種々の遺伝子をターゲットに解析を進めている。COI遺伝子を対象とした解析用データベースを作成し、次世代シーケンサーにより底泥から抽出したDNAを用いCOI遺伝子を解析する手法を構築した。植物プランクトンより高次の生物を検出できたが、検出された種数が少なかったため、プライマー配列の問題か分解による問題か確認作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長面浦の柱状泥について、論文化できた。 女川湾の柱状泥についても、順調に解析が進んでいる。 18SrDNA以外の遺伝子についても泥からのデータベースを自作するなど手法を構築できている。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた結果を基に女川湾の柱状試料について解析を進めるとともに、女川、長面浦以外の柱状泥についても解析を行い比較する。また、現在における植物プランクトンの出現状況を把握するため、表層泥のNGS解析も実施する。
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Research Products
(3 results)