2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of gasification system of municipal solid waste and sewage sludge using solubilization of paper waste technology
Project/Area Number |
18H03418
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
姫野 修司 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (60334695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 俊哉 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (10234874)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | バイオマス / メタン発酵 / 再生可能エネルギー / MBT |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオマス活用推進基本計画が平成28年9月に変更され,廃棄系バイオマスである食品廃棄物は現在の利用率24%から2025年の目標値として利用率40%が掲げられた。上記から食品廃棄物の再利用が求められている。食品廃棄物の多くは一般家庭から排出される厨芥類が占めるが、収集コストの面より厨芥類の分別収集は進んでおらず、多くが可燃ごみとして混合収集された後、直接焼却されている。また、厨芥類は含水率が高いためごみの燃焼効率を低下させる要因となる。このような背景より機械的処理と生物的処理を組み合わせて既存の収集システムを変えず廃棄物のエネルギー化・減用化を行う技術であるMBT(メカニカル・バイオロジカル・トリートメント)技術が注目を集めている。本研究では、発酵適物のメタン発酵により、焼却量の削減、バイオガス発電によるエネルギー回収が可能と考え、メタン発酵実験とシステム評価を実施した。 本年度は、下水処理場に0.5tのパイロットスケール消化槽を設置し,下水汚泥に対して発酵適物を重量比で5%,10%,15%追加投入した系列で混合消化の連続運転を実施し,同時に運転した下水汚泥単独系の結果と消化特性を比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・パイロットスケール連続実験 下水汚泥と発酵適物の混合消化における発酵適物投入量の影響を明らかにすることを目的として,混合液容量500Lのパイロットスケールの消化槽を標準活性汚泥法採用の下水処理場に設置し,約37℃の中温消化の連続実験を行った。 発酵的物を下水汚泥と混合してメタン発酵を行った場合は,汚泥単独系と比べてバイオガス発生量の増大が確認された。下水汚泥単独系および発酵的物混合系においてpHは約7.6であり,溶解性COD,アンモニア性窒素の値も汚泥単独系と同程度であったため,発酵は安定して行われたと考えられた。汚泥単独系に対して混合系のガス発生量は1.70~2.31倍になり,発酵適物の混合によって大きく増加した。TSおよびVSの分解率も混合系は汚泥単独系よりも高かった。混合系において,下水汚泥に起因するガス発生量,メタンガス発生量が汚泥単独系における発生量と等しいと仮定して発酵適物による正味の値を算出した。その結果,投入VS当たりの正味のガス発生量,メタンガス発生量ともに下水汚泥(汚泥単独系)の約2倍となり、バイオガスの大幅な増大がパイロットスケールの実験でも明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
パイロット試験機を用いて、下水汚泥に対して発酵的物を投入する事で、安定した中温メタン発酵が可能でバイオガスが約2倍増加する事が明らかとなった。今後は、下水汚泥に対して発酵適物投入量の影響を評価する。その際に安定して発酵が可能な最大投入負荷量を求める事、安定運転に望ましい投入量を決定する事を目的にする。それらによって、既存の処理システムとの効果の比較や、設計諸元を得る事が可能になる。 また、都市ごみから精製分離した発酵的物中にも有害物質が混入する可能性がある。それらが下水汚泥と混合処理されることで、新たな環境汚染を引き起こす可能性が懸念される。発酵適物および下水汚泥の有害成分の含有量を評価する事を試みる。発酵適物の重金属含有量は下水汚泥と比較して,概ね同レベルであるか,または大きく下回ることが必要と考えられる。 また、本システムを採用した場合の経済性や再生可能エネルギーの増大、環境負荷の低減等の評価を行い、本システムの有用性を定量的に評価する事を検討する。
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Research Products
(3 results)