2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of production and distribution system for fresh fish and shellfish aiming at environmental conservation type
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18H03425
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
濱田 奈保子 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (70323855)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | バイオサーモメーター / 保管安定性 / ゼラチン / 酵素 / 流通管理技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は本研究の3つの基盤技術のうち、【バイオサーモメーター(BTM)(注)による流通管理技術の改良】について検討しました。BTMはこれまでに3つのタイプが開発されてきましたが、今年度は最も使用温度領域が広いWST-8型BTMに関して、実物流で使用できることを目指して保管安定性の検討を行いました。 WST-8型BTMは基質液と酵素液の2液で構成されており、その2液を混合させることにより、反応が開始します。基質液の保管期間を検証するために、冷蔵環境下(5 ℃)と常温環境下(25 ℃)で保管し、保管安定性試験を行った結果、冷蔵および常温環境下ともに約1年間(364日間)保管可能であることを確認しました。また、酵素液の保管可能期間延長のため、2012年度に確立された条件で作製したWST-8型BTMを雛形として、ガラス化凍結乾燥法および複数の安価な安定化試薬の添加により組成の改良を行いました。酵素液は従来の組成にゼラチン(終濃度0.125%)を添加することにより、5℃で56日間、10℃で7日間保管可能であることが明らかとなりました。本研究を開始する前には5℃で1日間しか保管できなかった状況を考慮すると、飛躍的な改善が見られました。なお、ガラス化凍結乾燥処理の有無は酵素の安定性に影響がありませんでした。 組成を改良したWST-8型BTMの吸光度と鮮魚のK値との相関を確認した結果、マアジ、ムシガレイ及びウスメバルの鮮度評価にWST-8型BTMが適用可能であることが明らかとなりました。以上の結果から、マアジ、ムシガレイ及びウスメバルはWST-8型BTMによる鮮度の可視化が可能であることを明らかとしました。 (注)バイオサーモメーターとは、申請者が開発した生鮮食品の鮮度と積算温度を可視化するツール(特許4556497)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の3つの基盤技術のうち、バイオサーモメーター(BTM)による流通管理技術の改良について検討した結果、検討前よりかなりの改善が見られたため、順調に進展していると評価しました。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における別課題として設定した【基盤技術②環境負荷低減と鮮度保持を兼ねた加工技術】について進めて行く予定です。
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