2018 Fiscal Year Annual Research Report
高強度レーザー生成プラズマを利用したX線増幅過程の研究
Project/Area Number |
18H03478
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
犬伏 雄一 公益財団法人高輝度光科学研究センター, XFEL利用研究推進室, 主幹研究員 (40506250)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | XFEL / レーザープラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
内殻電離状態のプラズマから放射されるKα線はそのエネルギーが数keVであり、XFELの光子エネルギーに相当するため、内殻電離状態の原子がX線の増幅のためのゲイン媒質として利用可能である。本研究では、高強度レーザーによりゲイン媒質となる内殻電離状態のプラズマを生成し、そこにXFELをシード光として入射することで、X線増幅を行う。 2018年度は、本研究の主力の計測器となる、増幅スペクトル計測のためのシングルショットスペクトロメーターの設計・開発を行った。これには、楕円ミラー、シリコン(111)分光結晶とX線CCDカメラを組み合わせることとした。 更に、このスペクトロメーターを用いて、XFELと高強度レーザーを組み合わせたX線増幅実験を実施した。ゲイン媒質として銅の薄膜を用い、そこに高強度レーザーを集光照射し、銅の内殻電離状態のプラズマを生成した。これはKα線の計測から確認された。そのプラズマをゲイン媒質とし、シード光であるXFELを集光して入射した。Kα線は8.05 keVなので、XFELはその光子エネルギーに合わせた。XFELの集光にはベリリウムレンズを用い、その下流側にシングルショットスペクトロメーターを設置し、増幅スペクトルの観測を試みた。しかし、残念ながら、この実験ではX線増幅を観測することはできなかった。この理由は、ベリリウムレンズにおけるXFELの散乱がシングルショットスペクトロメーターのデータを著しく劣化させるためであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度にはシングルショットスペクトロメーターを開発し、それを用いたX線増幅実験を試みた。しかし、その実験データ解析を行ったところ、当初の予想に反し、スペクトルのデータ品質が著しく劣化していることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
シングルショットスペクトル計測法の改良を行う。データ劣化の原因であるベリリウムレンズを用いず、かつ信号スペクトルと参照スペクトルの同時計測が可能な新たなシングルショットスペクトロメーターを開発する。この同時計測の2つのスペクトルの比較によって、データの信頼度が向上することが期待される。
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