2018 Fiscal Year Annual Research Report
物体の形状などを認識させるマーカーを用いたマルチモーダルインタフェースの研究開発
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18H03489
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Research Institution | Tohoku University of Art and Design |
Principal Investigator |
酒井 聡 東北芸術工科大学, デザイン工学部, 准教授 (90515157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若生 一広 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (90500893)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ヒューマンインタフェース / 感性インタフェース / 情報デザイン / 工業デザイン / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
映像や音響分野の技術革新は文字通り日進月歩であり、これまで以上に関心が寄せられている。どちらも高解像度化、高精細化とともに、VRやAR、MR、さらにプロジェクション・マッピングなど表現も多岐に亘るようなった。本研究では、物体の形状などを認識させるマーカーを用いたマルチモーダル・インタフェースを研究開発する。 平成30年度(2018年度)研究実施計画は、マーカー技術をマルチモーダル・インタフェースに活用するための方法の基盤技術確立と応用範囲の創出を目指して行った。「VRやARへの転用」「ハプティック技術の活用」「機器やプログラムなどのシステム操作への転用」の3つを検討し、試作実験を行う予定であったが、交付された費用を元に再度、研究内容を見直したため、平成30年度(2018年度)については本研究以前に開発していたデモンストレーション用機材の映像解像度がFullHDであったものを4K化することでも新たなマルチモーダル・インタフェースの開発が可能と判断し機材選定などを行い、新規システムを開発した。そのため予算の都合などもありVRやARなどへの転用は翌年度に持ち越すこととした。 しかしながら、自動車や家電、センサー製造などの企業と社会的応用については複数回意見交換を持つことができ、デモンストレーションをするなど具体的な応用方法について知見を得られた。特にゲーム会社から投影する映像により認知の差が生じているのではないかという指摘に対して、本研究と他のプロジェクション・マッピングの差を明示することに繋がるため追加の実験を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時の予算から減額された交付額であったため、実験用機材の見直しが生じた。特に研究実績の概要でも記載した「VRやARへの転用」を検討するためには、高スペックのPCが必要であったがそれらを低予算で実現するための仕様変更に時間を要してしまった。また、当初から4Kプロジェクタも導入を予定していたが、同様に交付額の減額により購入が困難となってしまったため機材の再選定が必要となった。それらに伴い、研究開発に必須であるPC用高機能GPUなどが入手しにくい状態が10月から翌年1月まで続いてしまったため、研究用PCの組み立てに遅れが生じたため、全体の進捗が遅延してしまった。 しかしながら、年度末までには研究用機材を再選定し直し入手できたため、次年度からは順調に研究を進捗させる基盤を築けた。 また、機材再選定中、実験や試作などの作業ができず遅れが生じていいたが、その時間を用いて数多くの企業との意見交換の場を設けることができ社会的応用方法の具体的な案を幾つか検討するに至っている。 以上のことから、進捗はやや遅れているが次年度中に研究計画通りまで進捗が可能であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗の遅れにより昨年度行えなかった「VRやARへの転用」「ハプティック技術の活用」「機器やプログラムなどのシステム操作への転用」について、研究開発を進める。
【VRやARへの転用】これまでマーカーを認識させ、そこに映像や音響を出力していたためプロジェクターなどの機器内処理により遅延が生じていたが、空間内の物体の形状や位置情報などの取得に特化することで認識速度を向上させる画像処理技術を検証する。 【ハプティック技術の活用】これまで映像や音響を組合せることでマルチモーダルな取組みを行ってきたが、ハプティック技術を対象の物体に組み込むことでより直接的に体制感覚を刺激し、人と物が相互に繋がることが見込まれるためそれらを実行するための基盤技術開発を行う。具体的にはこれまでの研究開発で養った超指向性スピーカなどの音響技術を転用させる。 【機器やプログラムなどのシステム操作への転用】研究者らが開発したマーカーの特長に物体の方向を認識させる技術があり、それを用いることにより物体を傾けることで装置の回転速度を変更するなど、機器やシステム操作に用いる簡易インタフェースを構築することが見込まれる。これを実現するための最適なマーカー形成術を検討する。 以上の内容について、基盤技術を確立するとともに昨年度意見交換を行った自動車や家電、センサー製造などの企業と継続した意見交換の場を設けるとともに、今年度はデモンストレーション機材を公開したい。
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Research Products
(3 results)