2020 Fiscal Year Annual Research Report
最先端映像メディア技術による地域記憶の世代間サーキュレーション
Project/Area Number |
18H03491
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
歳森 敦 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (80222149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上保 秀夫 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (00571184)
松林 麻実子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 講師 (10359581)
溝上 智惠子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (40283030)
宇陀 則彦 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (50261813)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 記憶の継承 / オーラルヒストリー / デジタルアーカイブ |
Outline of Annual Research Achievements |
市井の人々が日常生活の中で生成する,自身の居住地域に関する「地域記憶」の蓄積と世代間の循環を目的に,VRを用いたオーラルヒストリーのデジタルアーカイブのプロトタイプを構築した. 2020年度はCOVID-19感染症流行により高齢者を対象とするインタビュー実施が不可能となったため,繰り越しを行って計画を2021年度に延長した.延長後の2021年度も高齢者のグループインタビューが実施できる状況になかったため,研究計画を変更して,その時点までに収集したデータをもとに,VR動画の作成と検索システムの構築に注力することとした. 検索システムに関しては,要素技術の開発成果を査読付き論文として国際会議で発表すると共に,トランスクリプトから動的に画像を検索するシステムを開発した. 一方,VR動画については,グループインタビューの動画素材に対して,若い世代の視聴を念頭に,インタビューのトランスクリプトから紐付けられた地域の過去の写真資料をオーバーラップさせ,視覚的な情報を補った形式のVR動画を作成した.また,VR動画の評価のため,VRゴーグルと連動したアイトラッキングデータを動画上に合成表示するツールを導入した.このツールによって,動画視聴者の注視点の範囲や遷移を動的に捉えることができ,どのようなVR表現が効果的かを検討できることを示した. これらと並行して,これまでの取り組みについて日本図書館情報学会の研究大会で発表し,公共図書館が地域記憶の収集と提供を行うことの意義や可能性について議論した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍による行動制限の結果,高齢者からのインタビューデータの収集を少人数で断念したため,蓄積できたデータは限定的なままである.研究計画を変更して,世代の異なる視聴者に訴求する没入感の高いVR動画表現の検討に軸足を移したが,論文化が難しいトピックであり,成果公表の方法を検討している.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となるので,これまでの研究成果のとりまとめと公表を中心に研究をすすめる. 投稿先については,公共図書館を想定したデジタルアーカイブのシステムであることから,図書館情報学分野の査読がある国際会議でオンライン開催されるものを中心に検討をすすめている.
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Research Products
(4 results)