2019 Fiscal Year Annual Research Report
官民データ利活用社会に向けたオープンデータ活用プラットフォームの構築と実践
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18H03493
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠藤 守 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (90367657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 孝美 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (60183977)
浦田 真由 名古屋大学, 情報学研究科, 講師 (70634947)
鈴木 裕利 中部大学, 工学部, 教授 (20340200)
遠藤 麻里 広島国際学院大学, 情報文化学部, 講師 (10813628)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 官民データ / オープンデータ / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度は,官民データ活用情報プラットフォームの試作および中間実証試験を実施した.以下にその具体的な取り組みおよび実績を挙げる. まず,前年度に構築したIoT基盤を活用し,官民データ活用情報プラットフォームの試作構築を実施した.IoT基盤の活用にあたっては,各フィールドからのセンシングデータを一元的に格納するべく改良を施した.また官民データ活用情報プラットフォームにおいても,個別の取り組み内容から得られる官民データを,内閣官房が公開する推奨データセット等を参考にするなどして実装し,取り組み間でのデータ共有・再利用を可能とした.本プラットフォームを構成するシステムは,LinkedOpenDataに基づくRDFストアや,オープンソースのデータカタログサイトであるCKAN,そしてオープンソースCMSシステムを改良し構築した写真オープンデータサイト等からなり,それぞれのシステムにはAPIを介して外部からのアクセスを可能とした.なお本試作システムを活用するアプリケーションとして,Webやスマートフォン,スマートスピーカーなど目的別に選択し,適宜アプリケーションの設計・試作を実施した. 本試作システムとその活用アプリケーションの中間実証事例として,愛知県一宮市においては河川氾濫のモニタリングを目的としたセンシング機器開発とその可視化を,また岐阜県飛騨市においては,古川祭りにおける屋台全ての位置情報モニタリングと祭り当日の可視化,さらに長野県においては,総務省が実施するオープンデータ研修における,長野県内各自治体が管理する指定緊急避難場所情報の収集・蓄積とその可視化など,それぞれの地域において適する形でのシステムおよびアプリケーションの開発を行い,実証試験を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前年度に試作したIoT基盤を運用するにあたり,当初研究代表者の所属する研究室にサーバPCを設置していたが,可用性向上のため,システムを仮想化し外部のインターネットプロバイダにて運用を行った.これにより期待通りの性能を発揮している.また官民データ活用情報プラットフォームの試作においても,前年度における準備も含め,事前に必要となるセンシング機器や,データ項目等の検討および設計を行っていたため,実装はスムーズに行えたと考える.また,構築システムを活用するアプリケーションについても,各フィールドにおける自治体や民間企業等の担当者とも綿密な調整によって期待通りのアプリケーション開発ができた. さらに中間実証試験の実施にあたっては,お祭りや研修会・講習会の当日など,各フィールドのイベント日程を基に予定が組まれたため,日程変更が許されない形での実施となったが,事前の入念なシステムおよびアプリケーションの調整により問題無く遂行できたと考える. なお,中間実証試験の評価については,年度末の新型コロナウィルスの感染拡大を受けて各フィールドの窓口である自治体や民間企業等の担当者との直接的な打ち合わせができなかったが,ビデオ会議等オンラインによる打ち合わせに変更し実施することにより,必要なヒアリング等は行えたと考える.構築システムおよびアプリケーションに蓄積された官民データや操作ログ等の評価については,予定通り次年度の前半に実施することとした.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては,今年度に実施した中間実証試験によって得られたヒアリング結果や,構築システムおよびアプリケーションに蓄積された官民データや操作ログ等について,年度前半に詳細な評価を実施する.その後,これらの評価結果に基づき,開発システムおよびアプリケーションの問題点や課題を整理し,調整・改良を実施する. 今年度試作した官民データ活用情報プラットフォームにおいては,今年度は試作の位置づけで構築・評価を行ったが,プラットフォーム内部のシステム間のデータのやり取りでいくつか改善点があり,これらを改良する予定である.その際,愛知県,岐阜県,長野県等の各フィールドの窓口となる自治体や民間企業等の担当者とは,引き続き密に連携をとり,最終年度に実施予定の本格的実証を念頭に入れた運用を開始する. また,中間実証試験の際に開発を行った官民データ活用ツール,すなわちWebやスマートフォン・スマートスピーカー等の各種アプリケーションについても,実証時に判明した各種の不具合や,改良点を明確にしつつ,各実証フィールドにおける担当者等の意見も聞きながら,修正を行う. なお,今年度末には新型コロナウィルスの感染拡大を受け,本学および実証フィールド先の各自治体・企業等の都合により,中間実証試験後の打ち合わせや詳細な聞き取り調査をオンラインに変更し実施したが,不足等あれば次年度のなるべく早い時期に追加の調査を実施することとする.
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Research Products
(24 results)