2020 Fiscal Year Annual Research Report
A comprehensive study of changes to the 'ideal' appearance of the book in early print culture
Project/Area Number |
18H03496
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安形 麻理 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (70433729)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 聡子 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 准教授 (60453536)
池田 真弓 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 准教授 (70725738)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 書物史 / 書誌学 / インキュナブラ / 挿絵 / 印刷 / 初期印刷文化 / 装飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中世写本文化を基盤に発展した西洋の初期印刷文化において、人々が抱く「書物のあるべき姿」がどのように変容し、書物文化の新たな規範となっていったのかを明らかにすることである。COVID-19の影響により延期せざるを得ない部分もあったが、延長により、研究を進めることができた。 研究代表者は、ラテン語のウルガタ聖書を対象に、ウェブで公開されている画像を用いた調査および原資料を所蔵している図書館における現地調査を行い、書物の姿の物理的な特徴を詳細に調査した。また、機械学習を援用した活字の形状の分析手法を考案し、その成果を国際学会にて発表した。 挿絵入り書物に関しては、色刷りという側面に着目し、研究分担者がドイツ・マインツ市の初期の印刷業者による書物についてに分析し、その結果を国際学会にて発表した。 俗語(ラテン語ではない英語等)の書物については、研究分担者がイギリスの研究者の協力を得て、慶應義塾が所蔵する英語の初期印刷本を調査し、その特徴を記述するための基礎的調査を行った。 さらに、2023年2月に、British Libraryの初期刊本部門担当者とともに、書物史・書誌学の研究者と大学院生を対象とするワークショップを開催した。印刷、写本、製本と再製本、装飾、書き込みなどの諸側面について、和洋の貴重書を実際に手に取りながら議論し、書物の姿について、また同時代および後世の読者による受容について理解を深めることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度内には、COVID-19の影響により、予定していた各種の調査等を実施することができなかった。しかし、延長が認められたことにより、海外の原資料所蔵館における現地調査や、国際学会での発表、海外から研究者を招聘しての調査やワークショップを行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
成果の取りまとめを行う
|
Research Products
(6 results)