2019 Fiscal Year Annual Research Report
会議録を活用した希少がん診断支援情報システムの構築
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18H03497
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中西 陽子 日本大学, 医学部, 准教授 (90366592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根東 義明 日本大学, 医学部, 教授 (00221250)
五味 悠一郎 日本大学, 理工学部, 助教 (70440807)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 会議録 / データマイニング / 機械学習 / 希少がん / 病理診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんは日本人の死因の第一位であり、その割合は年々増加している。しかし、分子生物学の発展により、がんの個別化治療は飛躍的に進歩してきている。ただし、がん統計に掲載されないような希少がんはこの限りではない。症例数の少ない疾患は情報が少なく、まず希少がんであるとの確定診断に至るまでに困難を要するため、治療開始の遅れにもつながる。がんの適切な診断は適切な治療に必須であることから、本研究では会議録の新たな活用方法として、①希少がんである可能性を提示する機能、②国内学会での希少がん報告会議録を活用したデータベースによる情報提供機能、③書誌事項としての希少がん診療経験施設の提示機能を有するデータベースシステムを構築して、エビデンスに基づいた希少がんの診断支援情報提供による患者の利益向上への貢献を目指している。 今年度の実績として、①希少がんである可能性を提示するシステムを実装した。方法は、1)病理診断アルゴリズムの検討、2)各種癌取扱い規約、診療ガイドライン、WHO等から、臓器名、疾患名、ICD-O、染色項目、出典、文献などのテキスト単位の知識情報抽出、4)独自のコード付与、5)マスタファイルの作成、6)Webフォームによるユーザーインターフェースの構築と実装を行った。これにより、利用者が検索を行った際に推奨する情報なしと表示される疾患を希少疾患、希少がんと扱うこととした。 ②国内学会、特に日本病理学会の会議録(学会抄録)をテキストデータ化し、機械学習による解析環境の構築を試みた。DGX-1(NVIDIA)を利用したPythonによる自然言語処理のライブラリの適正について評価するため、評価指標の検討を行った。 ③希少がん診療経験施設を提示するため、①で実装したシステムで表示される希少疾患、希少がん名から医学中央雑誌APIに連携できるよう検討を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するためには、まず、情報が希少な疾患やがんの診断名を表示することが必要である。今年度までの研究で、典型がんの病理診断に必要な検査項目の情報提供を行うことが可能となり、その結果、情報が得られない疾患やがんの診断名を明らかにすることが可能となった。 また、これまでに、情報が希少な疾患やがんに付与できる情報を提供するためのデータ源の収集が進み、解析方法として、機械学習などの新たな方法を検討する段階に進めている。当初の計画よりも新しい方法を検討できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討で、症例数が少なく、情報が希少なために診断に苦慮する疾患やがんの診断名を表示することが可能となった。今後の研究の方策として、①希少がんである可能性を提示する機能については、情報の更新と評価の実施を行う。②国内学会での希少がん報告会議録を活用したデータベースによる情報提供機能の検討については、これらの希少疾患、希少がんに関する診断支援情報の分析方法や、情報提供方法の検討を継続する。具体的には、これまでに検討してきた、PythonによるDGX-1を利用した自然言語処理の適性の評価として、1)評価する分析ライブラリの選定、2)評価項目の検討、3)評価の実施、4)実際の解析を行い、適正について考察する予定である。また、解析データの充足も継続していく。③書誌事項としての希少がん診療経験施設の提示機能としては、①で実装したシステムで表示される希少疾患、希少がんの診断名から医学中央雑誌APIへの連携について検討を継続する。 特に、②については、当初の計画よりも発展的な方法を追加したため、適正についての評価を重点的に行う。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 免疫染色ガイドによる病理診断業務支援のためのアプリケーションシステム開発の検討2019
Author(s)
中西陽子, 五味悠一郎, 池上浩樹, 芳賀 卓也, 西巻はるな, 小林博子, 大荷澄江, 楠美嘉晃, 唐 小燕, 根東義明, 大城真理子, 増田しのぶ
Organizer
第18回日本デジタルパソロジー研究会総会
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