2019 Fiscal Year Annual Research Report
An analysis of a norm ecosystem toward development of moral AI
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18H03498
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
山本 仁志 立正大学, 経営学部, 教授 (70328574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥海 不二夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30377775)
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 協力の進化 / 社会的ジレンマ / ゲーム理論 / 社会規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は規範エコシステムの精緻な分析をおこない、実社会で想定されるネットワーク構造を取り入れた論文を公表した[1]。更にはソーシャルメディア上で協力行動を促進するメカニズムを分析し、適切な報酬制度の必要性を明らかにした[2]。他方で繰返し相互作用のある囚人のジレンマにおいて、ゲームに参加しないという行動を可能にした場合に適応的な戦略を広範に分析し論文として公表した[3]。この結果は一般的なメディアでも取り上げられ、成果を社会的に広く還元することができた[4]。このほかにも間接互恵規範の精緻な分析や[5]、他者の規範推定[6]など当初計画に沿って研究を進めている。また互恵的規範のひとつであるアップストリーム互恵性についての被験者実験を開始し、アップストリーム互恵状況における協力行動の規定因を明らかにした。この成果は現在論文審査中である。
[1] https://doi.org/10.14836/ssi.8.2_35 [2] https://doi.org/10.1007/s42001-019-00049-5 [3] https://doi.org/10.1103/PhysRevE.100.032304 [4] https://academist-cf.com/journal/?p=11846 [5] https://doi.org/10.3390/g11010013 [6] 日本社会心理学会第60回大会(P0314)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各サブ課題とも順調に進展している。互恵的協力のモデル化において実社会のソーシャルメディア上の現象をモデル化したうえで、ネットワーク構造の影響も分析できている。被験者実験による人間行動の分析も新たにクラウドソーシングを用いた実験基盤の構築に成功し、効率的な実験実施が可能となった。また、ウィーン経済大学との共同研究によって実システムを想定した実証実験も開始している。上記のことから課題は順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度はシミュレーションにおいては規範ノックアウト手法の精緻化の結果を学術論文として出版する予定である。また互恵性規範の分布についても認知バイアスが協力行動をもたらすメカニズムの解明を行う予定である。また被験者実験においては、日本と欧州の比較実験を計画している。実データ分析においても計算社会科学分野の国際会議で実データとシミュレーションの統合モデルを発表する予定である。
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