2019 Fiscal Year Annual Research Report
Oxygen imaging of living tissues using confocal phosphorescence lifetime imaging microscope
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18H03509
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
飛田 成史 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (30164007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 陽亮 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10780736)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 酸素プローブ / イリジウム錯体 / 低酸素 / りん光 / 光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、Ir(III)錯体BTPDM1を酸素プローブ、計測系として共焦点りん光寿命イメージング顕微鏡(PLIM)システムを用いて、マウスの腎臓の酸素化状態のイメージングを行った。2019年度は、同様のシステムを用いて生きたマウスの肝臓表層の高分解能酸素イメージング実験を行った。プローブとして、BTPDM1に加えてBTPの配位子にヒドロキシ基を導入したBTP-3OHを用いることにより、測定結果のプローブ依存性についても検討した。まず、BTPDM1とBTP-3OHの光物理特性を調べたところ、どちらの錯体も波長600 nm以上にりん光極大を示し、脱気溶液中におけるりん光量子収率は0.25以上、りん光寿命は5マイクロ秒以上あり、溶液中で非常に高い酸素感受性を示した。また、培養細胞に対する取り込み能が高く、細胞中においても高い酸素応答性を示した。さらに、HT-29細胞スフェロイドにも取り込まれ、単一のスフェロイドのりん光寿命画像の測定から、スフェロイド内の酸素濃度勾配を求めることができた。次に、麻酔下のマウスにBTPDM1または BTP-3OH (250 nmol) を尾静脈から投与し、開腹後、肝臓表面にピコ秒レーザーパルス光を照射し、りん光寿命画像を測定した。その結果、中心静脈に向かう肝小葉内の酸素濃度勾配を細胞レベルの高分解能でイメージングすることに成功した。AML 12細胞を用いて寿命のcalibrationを行って肝小葉内の酸素分圧を定量したところ、BTPDM1を用いた場合には、これまで報告されている酸素レベルに近い値が得られた。一方、BTP-3OHを用いるとBTPDM1に比べて低くなる傾向が見られた。これは、肝臓内でのプローブの解毒作用が関係している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、in vivo酸素イメージング技術を確立することを目指して、Ir(III)錯体に基づくりん光性酸素プローブの設計・合成とこれに適した測定系の構築を行ってきた。Ir(III)錯体は、脱気溶液中で数マイクロ秒の寿命を有し、細胞内取り込み能が非常に高いことから、PLIM測定装置を用いたin vivo酸素イメージングに適したプローブであることが示されつつある。これまでの研究から、実際に麻酔下の生きたマウスの腎臓、肝臓について、皮下約10マイクロメートルの表層の酸素化状態を、1分以内に高分解能イメージングできることが明らかになった。本手法は、組織切片を染色して顕微鏡で観測する一般の病理学的測定法と異なり、血流が通った状態で組織内の酸素分圧分布をイメージングできるため、生体における酸素の役割を生理学的、病態生理学的に調べるための技術として有用と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究からIr(III)錯体を酸素プローブとして用いたPLIM測定が、マウスの臓器表層の酸素化状態を高分解能でライブイメージングできることが示された。残された研究期間で、同手法を用いて腫瘍内の酸素化状態を血管走行も含めて高分解能イメージングすることを目指して研究を進める予定である。
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Research Products
(16 results)