2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of portable drug concentration measurement system for contributing to a personalized treatment.
Project/Area Number |
18H03513
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
緒方 元気 新潟大学, 医歯学系, 特任講師 (80452829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠原 洋之 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (00302612)
栄長 泰明 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00322066)
日比野 浩 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70314317)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ダイヤモンドセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ダイヤモンドセンサを用いて、分子標的薬パゾパニブ血漿中濃度測定法の開発を実施した。分子標的薬パゾパニブは、腎細胞癌および悪性軟部腫瘍の治療薬である。この薬物において、治療薬物モニタリング(TDM:Therapeutic Drug Monitoring)の実施の有効性は不確定であるが、近年TDM実施の有効性の検証が進められている。本研究では、基盤となる方法を、従来の素材より安定した反応を示すダイヤモンド電極センサを介した電気化学的アプローチにより創出した。ここでは、採取したモルモットおよびラット血漿に濃度の異なる分子標的薬を単独で添加し、測定法を検証した。手順として、除タンパクのために、薬を含む血漿サンプル100 μlに対しアセトニトリルを添加し、それを20,000 Gで2分間遠心した。そして、サンプル上清100 μlをダイヤモンドセンサに反応させた。その結果、パゾパニブの臨床濃度域に対応しうる 0.3~300 μMの範囲を定量した。測定自体は約35秒の短時間で可能であり、サンプル処理を含めても10分以内で全工程が完了した。本計測法を応用すれば、分子標的薬によるテーラーメイド治療が可能になると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進んでいる。しかしながら、センサ特異性の検証実験が、不十分である。また、実際にラットへ経口投与し、その動物から得た血漿中の濃度定量実験を実施している途中である。コロナ感染症の影響で、動物実験結果の検証が、実施できていない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
センサ特異性の検証実験をすすめ、測定方法のさらなる改良・最適化を進める予定である。さらに、市販のヒト血液を用いた実験や、動物実験を介して、測定方法の性能検証を実施する予定である。
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