2020 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜表面の低分子抗体修飾による細胞製剤の標的指向化
Project/Area Number |
18H03516
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
樋口 ゆり子 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40402797)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 富義 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30243041)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ドラッグデリバリーシステム / 間葉系幹細胞 / 低分子抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、炎症モデルマウスの作製を行うはずであったが、緊急事態宣言により長期間の飼育が必要な動物モデルの作製は予定通りに進めることができなかったため、LPSおよびDガラクトサミン投与による急性肝炎モデルに切り替えて実験を行った。まず、LPSおよびDガラクトサミン投与後に肝臓を摘出し、凍結切片の免疫染色およびウェスタンブロット法により正常マウスの肝臓と比較してICAM1の発現が増大していることを確認した。また、量子ドットで蛍光標識した抗体修飾MSCを急性肝炎モデルマウスまたは正常マウスの尾静脈から投与し、摘出した肝臓の凍結切片を蛍光顕微鏡で観察すると量子ドットの蛍光シグナルにより体外から投与されたMSCを検出できた。一定の面積内に存在する細胞の個数で比較したところ、正常なマウスの肝臓と比較して、急性肝炎モデルの肝臓に有意に多数のMSCが検出された。しかしながらこの方法は、肝臓におけるMSCの分布の評価には有効であるが、臓器に集積するMSCの定量的な評価には限界がある。そこで、マウスにヒト由来のMSCを投与し、ヒトに固有のAluYb8配列をPCRで定量する方法を確立した。正常マウスから摘出した肝臓のホモジナイズ液に異なる個数のヒト由来MSCを加えて、qRT-PCRで定量して検出に必要な細胞数や定量方法を確立した。以上、抗体修飾MSCの体内動態に必要な肝炎モデルマウスを構築し、凍結切片の蛍光イメージングにより抗体修飾によりMSCは、正常マウスと比較して、肝炎モデルマウスの肝臓に多く集積することが示された。さらに、MSCの体内動態評価を目的に、qRT-PCRを利用したMSCの臓器集積の定量的評価法を確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
緊急事態宣言により、長期飼育が必要な動物モデルの構築およびそれを利用した研究が予定通りに進まなかった。代わりに、短期飼育で実行可能な急性肝炎モデルに変更して研究を進めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
体内動態の定量的評価と疾患モデルマウスを用いた治療効果の評価を行う。
|