2019 Fiscal Year Annual Research Report
代謝動態計測のための新たな動的核偏極MRI開発および実証研究
Project/Area Number |
18H03526
|
Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
市川 和洋 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (10271115)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 磁気共鳴 / DNP / MRI / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、代謝反応のリアルタイム計測を目的として開発が進められている、核偏極磁気共鳴法(DNP-MRI)において、分子プローブの核偏極寿命が短く適用困難であった、標的臓器への分布・代謝に一定の時間を要する代謝過程のリアルタイム計測を実現する、他核種DNP-MRIシステム高度化と、代謝イメージングの新たな適用領域を開拓することを目的とした。 昨年度までに(1)溶液試験用の小型・高感度計測プローブの試作・評価をおこなった。その結果を動物計測プローブ(マウス頭部程度サイズの対象物測定用)に展開・設計をおこない、動物計測用プローブを試作した。同プローブを用いて、実験用マウスの頭部・胸部・下腹部の計測を進めた。その結果にもとづき設計上の修正を行い、各部位測定に適した形状での評価、改良を行なった。さらに感度(クオリティファクター)低下をもたらす配線改良を進めと感度向上を実現した。(2)13Cや15Nなど一般的なMRIで対象とする1H核よりも低磁気回転比核を対象とするイメージングでは高電力を加える必要があり、その結果発生する熱量に対して従来より高放熱性の傾斜磁場コイルを導入する必要がある。高放熱性コイルの設計自体は以前開発済みであったが、限られた磁石装置空間内に収めるための設計変更が必要であることから開発を継続し、設計初版を完成した。(3)上記検討と並行して、疾患モデル動物の例として、既往移植がんマウス、糖尿病モデルマウスを用いて、本系の応用性の検証を開始した。現時点では、造営プローブ計測が可能であることを確認し、最適条件の検討を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糖尿病モデル動物の納期遅れのため1セットの実験が次年度繰越となったものの、概ね計画通りに進んでいるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
疾患モデル動物における検討が1セット完了しなかった(約2ヶ月程度の遅れ)。次年度は動物発注を早め、事前に疾患状態に到達する飼育ペースに変更することで実験ペースを早めることで予定通りのスケジュールで進行可能と予想している。
|
Research Products
(5 results)